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特集 必携! 救急対応・手技マニュアル
眼窩壁骨折—診断のポイントと整復術の選択
著者: 原隆太郎1 小林正佳2
所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 2三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
ページ範囲:P.1020 - P.1024
文献概要
●眼窩壁骨折は眼球に鈍的な外傷が加わることで生じる吹き抜け骨折(blowout fracture)が多く,その種類は主に内側壁型,下壁型,その両者の混合型に分けられる。下壁型単独骨折が約半数を占める。
●主な症状は眼球運動障害,複視,眼球陥凹,悪心で,診断にはCTが有用である。
●開放型骨折(非線状型骨折)では経過観察または待機的な手術が選択肢として挙げられるが,閉鎖型骨折(線状型骨折,trap door type)では眼窩内容物の嵌頓,絞扼により不可逆的な機能障害を生じうるため,緊急手術を要する場合がある。
●手術は内視鏡下経鼻的アプローチが一般的であるが,骨折の程度によって経眼窩法や経上顎洞法,これらを併用する場合があり,適宜眼科,形成外科と協力して対応する。
参考文献
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