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特集 必携! 救急対応・手技マニュアル
文献概要
POINT
●深頸部膿瘍は全身状態の急激な悪化や生命をも脅かす病態に進展する可能性があり,迅速な診断・病態評価・治療介入が必要である。
●頻呼吸の有無の観察や咽喉頭ファイバースコープ検査を迅速に行い,中等度以上の喉頭浮腫,上気道狭窄があれば,呼吸状態が悪化する前に気管切開,輪状甲状膜切開などの気道確保を検討する。
●深頸部膿瘍を疑った場合,造影CTは必須検査であり,降下性壊死性縦郭炎の合併も考慮し撮像範囲は頸胸部まで行う。
●連鎖球菌,ブドウ球菌と嫌気性菌の混合感染が多いこと,βラクタマーゼ産生の耐性菌も多いことを念頭に広域のエンピリックセラピーを行い,その後de-escalationする。
●蜂窩織炎にとどまっているか,ごく限局した膿瘍以外は切開排膿術の適応であり,適切な介入が予後や治療期間短縮につながる。
●深頸部膿瘍は全身状態の急激な悪化や生命をも脅かす病態に進展する可能性があり,迅速な診断・病態評価・治療介入が必要である。
●頻呼吸の有無の観察や咽喉頭ファイバースコープ検査を迅速に行い,中等度以上の喉頭浮腫,上気道狭窄があれば,呼吸状態が悪化する前に気管切開,輪状甲状膜切開などの気道確保を検討する。
●深頸部膿瘍を疑った場合,造影CTは必須検査であり,降下性壊死性縦郭炎の合併も考慮し撮像範囲は頸胸部まで行う。
●連鎖球菌,ブドウ球菌と嫌気性菌の混合感染が多いこと,βラクタマーゼ産生の耐性菌も多いことを念頭に広域のエンピリックセラピーを行い,その後de-escalationする。
●蜂窩織炎にとどまっているか,ごく限局した膿瘍以外は切開排膿術の適応であり,適切な介入が予後や治療期間短縮につながる。
参考文献
1)Estrera AS, et al:Descending necrotizing mediastinitis. Surg Gynecol Obstet 157:545-552, 1983
2)Sugio K, et al:Descending necrotizing mediastinitis and the proposal of a new classification. JTCVS Open 8:633-647, 2021
3)Kimura A, et al:Clinical predictors of descending necrotizing mediastinitis after deep neck infections. Laryngoscope 130:E567-E572, 2020
4)山内英臣・他:深頸部感染症の画像診断.JOHNS 38:1467-1472,2022
5)山下 拓:AMR対策とLemierre症候群.JOHNS 37:837-840,2021
6)鈴木賢二・他:第6回耳鼻咽喉科領域感染症臨床分離菌全国サーベイランス結果報告.日耳鼻感染症エアロゾル会誌8:193-211,2020
7)鹿島和孝:深頸部膿瘍.耳喉頭頸95(増):156-160,2023
8)大原卓哉:耳鼻咽喉科疾患に対する薬物療法—頸部リンパ節炎,深頸部感染症,咽後膿瘍.MB ENT(218):149-155,2018
9)木村朱里:深頸部感染症の合併症とその対応—縦隔炎.JOHNS 38:1487-1490,2022
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