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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科96巻2号

2024年02月発行

特集 実践! 花粉症治療マニュアル2024

《花粉症治療の実際》

漢方薬

著者: 村上大地1 保富宗城1

所属機関: 1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

ページ範囲:P.132 - P.135

文献概要

POINT

●花粉症における蒼白・浮腫状の鼻粘膜などの所見は,「寒」と「水滞」と考え,利水剤などの処方を選択する判断材料になる。

●鼻粘膜の蒼白所見に対する代表的な漢方薬としては,小青竜湯,麻黄附子細辛湯,苓甘姜味辛夏仁湯,葛根湯加川芎辛夷がある。

●鼻粘膜の発赤・充血所見は,「熱」の病態と考え,鼻粘膜の炎症の制御が重要となる。

●鼻粘膜の発赤・充血所見に対する代表的な漢方薬としては,越婢加朮湯が挙げられる。

参考文献

1)松原 篤・他:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年,2008年との比較)速報.耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として.日耳鼻123:485-490,2020
2)日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会(編):鼻アレルギー診療ガイドライン—通年性鼻炎と花粉症 2020年版(改訂第9版).ライフ・サイエンス,東京,2020
3)後藤 穣:最新のアレルギー性鼻炎治療—ガイドライン改訂と抗ヒスタミン薬による治療戦略.日耳鼻124:943-947,2021
4)市村恵一:アレルギー性鼻炎.耳喉頭頸84:279-281,2012
5)市村恵一:耳鼻咽喉科領域における漢方治療.日耳鼻116:1093-1099,2013
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13)山際幹和:小児アレルギー性鼻炎患者の鼻閉塞に対する麻黄湯の即時的効果.漢方医35:57-61,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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