文献詳細
特集 実践! 花粉症治療マニュアル2024
《特殊なケースへの対応》
文献概要
POINT
●妊婦および授乳婦への薬剤投与は,きちんとした考え方のもとに行えばより効果的な治療が可能で,医療者・患者とも安全な医療,および安心を得ることができる。
●医薬品添付文書は参考にすべきものであるが,薬剤が上市される時点で妊婦や授乳婦を対象とした安全性を評価することは不可能である。新しい薬剤よりも,古くから使用されていて妊婦・授乳婦へのリスク・副作用の報告がない薬剤を優先的に使用することを考慮する。臨床で役立つ各種の書物などを紹介する。
●花粉を取り込まない生活指導(マスク,鼻洗いなど)も重要である。投与した薬剤の母体血中濃度を上げないためには,局所投与(点鼻)→経口投与の順に薬剤を選択する。
●妊婦および授乳婦への薬剤投与は,きちんとした考え方のもとに行えばより効果的な治療が可能で,医療者・患者とも安全な医療,および安心を得ることができる。
●医薬品添付文書は参考にすべきものであるが,薬剤が上市される時点で妊婦や授乳婦を対象とした安全性を評価することは不可能である。新しい薬剤よりも,古くから使用されていて妊婦・授乳婦へのリスク・副作用の報告がない薬剤を優先的に使用することを考慮する。臨床で役立つ各種の書物などを紹介する。
●花粉を取り込まない生活指導(マスク,鼻洗いなど)も重要である。投与した薬剤の母体血中濃度を上げないためには,局所投与(点鼻)→経口投与の順に薬剤を選択する。
参考文献
1)日本産科婦人科学会・他(編):産婦人科診療ガイドライン—産科編2023.日本産科婦人科学会,東京,2023
2)伊藤真也・他(編):薬物療法コンサルテーション 妊娠と授乳,改訂3版.南山堂,東京,2023
3)Briggs GG, et al:Briggs drugs in pregnancy and lactation:a reference guide to fetal and neonatal risk, 12th ed. Wolters Kluwer, Philadelphia, 2021
4)国立成育医療研究センター:妊娠と薬情報センター https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
5)Seto A, et al:Pregnancy outcome following first trimester exposure to antihistamines:meta-analysis. Am J Perinatol 14:119-124, 1997
6)Källén B:Use of antihistamine drugs in early pregnancy and delivery outcome. J Matern Fetal Neonatal Med 11:146-152, 2002
7)Diav-Citrin O, et al:Pregnancy outcome after gestational exposure to loratadine or antihistamines:a prospective controlled cohort study. J Allergy Clin Immunol 111:1239-1243, 2003
antihistamines:a systematic review and meta-analysis. Drug Saf 40:121-132, 2017
9)聖隷浜松病院薬剤部(作成),聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター(監):ゆりかご—妊娠中のお薬の使い方.2016.9作成,2022.12改訂.https://www.seirei.or.jp/hamamatsu/media/ninpu_yurikago.pdf
10)聖隷浜松病院薬剤部(作成),聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター(監):ひまわり—授乳中のママと市販のお薬の付き合い方.2014.7作成,2014.11改定.https://www.seirei.or.jp/hamamatsu/media/20190611-172626-4827.pdf
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