耳鼻咽喉科・頭頸部外科96巻5号

2024年04月発行

増刊号 ランドマークはこれだ！　局所解剖アトラス〔特別付録Web動画〕 1．耳

中耳手術のための局所解剖

著者： 田中康広¹

所属機関： ¹獨協医科大学埼玉医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲：P.25 - P.31

Point

●線維性鼓膜輪と鼓索神経を確実に判別し，おのおのを同定してから鼓膜の剝離・挙上を行い，鼓室内の操作へ移る。

●中鼓室内の観察において真珠腫の存在によりキヌタ・アブミ関節の確認が困難な場合は，ツチ骨柄と鼓索神経の走行からキヌタ骨長脚の位置を推測し，同定する。

●ツチ骨前方に進展する真珠腫に対してはツチ骨と鼓膜張筋腱，顔面神経水平部との位置関係に注意し，真珠腫上皮の剝離を進める。

＊本論文中，動画マークのある箇所につきましては，関連する動画を見ることができます（公開期間：2029年4月）。

参考文献

1）小島博己：鼓室形成術のコツ．日耳鼻121：1534-1536，2018

2）田中康広：On the jobトレーニング—鼓膜操作のポイント．耳喉頭頸94：241-245，2022

3）田中康広：鼓膜形成術．森山　寛（監），岸本誠司・他（編）：耳鼻咽喉・頭頸部手術アトラス［上巻］第2版．医学書院，東京，2018，pp105-109