文献詳細
特集 必携! 唾液腺診療 虎の巻
《非腫瘍性疾患の診断と治療》
文献概要
POINT
●発作性反復性唾液腺腫脹と唾液管開口部より白色線維素塊の排出を特徴とし,診察時に排出物が認められれば診断は容易である。
●線維素塊中に好酸球を認めたり,アレルギー性疾患を合併することからⅠ型アレルギーの関与が示唆されている。
●唾液腺マッサージ,抗アレルギー薬/抗ヒスタミン薬,唾液管洗浄,唾液管内ステロイド注入,導管摘出などの治療選択肢があるが,症例によって症状の重症度が異なるため,症状と侵襲のバランスを考えて選択する。
●発作性反復性唾液腺腫脹と唾液管開口部より白色線維素塊の排出を特徴とし,診察時に排出物が認められれば診断は容易である。
●線維素塊中に好酸球を認めたり,アレルギー性疾患を合併することからⅠ型アレルギーの関与が示唆されている。
●唾液腺マッサージ,抗アレルギー薬/抗ヒスタミン薬,唾液管洗浄,唾液管内ステロイド注入,導管摘出などの治療選択肢があるが,症例によって症状の重症度が異なるため,症状と侵襲のバランスを考えて選択する。
参考文献
1)Kussmaul I:Anfellsweise auftretende Speichelgeschwulst in Folge von chronischer eiterigfibinoser Entzundung des Stenonschen Ganges. Berlin Klin Wschr 15:209-211, 1879
2)村上信五・他:耳下腺にみられた線維素性唾液腺管炎の1症例.耳喉頭頸54:919-924,1982
3)吉原俊雄・他:線維素性唾液管炎.耳喉頭頸88:218-219,2016
4)土屋昭夫・他:線維素性唾液管炎の3例.口咽科25:173-177,2012
5)木下澄仁・他:耳下腺における線維素性唾液管炎例.耳鼻臨床96:245-247,2003
6)吉岡由記子・他:耳下腺に発生した線維素性唾液管炎症例.口咽科9:409-416,1997
7)押川千恵・他:タマネギによるアレルギー性耳下腺炎からアナフィラキシーを生じた1例.耳鼻63:132-137,2017
8)山本忠正・他:食事により全身の蕁麻疹を伴って耳下腺腫脹を反復した線維素性唾液管炎の1例.日皮会誌114:187-192,2004
9)井野千代徳・他:興味ある反復性耳下腺炎の1例.耳鼻43:840-843,1997
10)原田 晋・他:線維素性唾液管炎ないしアレルギー性耳下腺炎に世もない,さまざまな食物摂取後にアナフィラキシー様症状を繰り返したと考えた2例.皮膚臨床63:345-350,2021
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