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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻2号

1989年02月発行

文献概要

講座 理学療法評価・2

筋力の評価

著者: 鶴見隆正1

所属機関: 1高知医科大学附属病院

ページ範囲:P.107 - P.114

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 Ⅰ.初めに

 リハビリテーション医学における評価(evaluation)は,患者の病態と障害とを的確にとらえ効果的なリハビリテーションを施行するために重要である.医療技術の進歩や疾病構造の変化,老齢人口の増加などにより,理学療法分野での評価も拡大,複雑化しつつある.ICU,NICUなどの急性期での評価,難病疾患や心疾患,スポーツ障害などの評価,さらに高次脳機能に関するものや,地域社会,学校教育など社会生活までを包括した評価が求められている.その一方で,より客観的で定量的なものとするべくME機器を用いた分析が行なわれてきている.

 しかし,これらの種々の評価方法の基本となるのは,理学療法の創生期に三大評価と言われていた徒手筋力検査(以下,MMTと略),関節可動域テスト,日常生活動作(ADL)テストである1).これら三大評価については,日本リハビリテーション医学会や日本理学療法士協会の学術部において数回にわたって検討が重ねられ基準化が計られてきた経緯をみても,いかに重要で基本的な技術であるかがうかがえる1,2).当然理学療法士の卒前教育においてもMMT,関節可動域テストなどの検査測定の時間数は多く,理学療法白書3)によれば平均102.2時間となっており,現行の指定規則によるカリキュラム(60時間)の約1.7倍の教育が行なわれている.

 そこで講座・評価シリーズの最初の各論として,筋力の評価を取り上げ筋力の検査,測定と評価との関連を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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