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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻2号

1989年02月発行

文献概要

プログレス

小児の難治性てんかんの治療

著者: 藤原建樹1

所属機関: 1国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)

ページ範囲:P.125 - P.125

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 難治てんかんの治療を論ずる前に,次の事項を銘記しておく必要がある.すなわち日常診療場面で難治に経過していた症例を診た場合,その症例が真の難治てんかんであるか否かの見極めが肝要であるという事実である.

 ぼんやりとなり口もとをペチャペチャさせる非痙攣発作が多年にわたり,治療に抵抗していた一少女を例にとる.欠神発作とされ抗欠神剤のエトサクシミドを十分量投与されていたがまったく無反応であった.ところが正しい発作型は側頭葉起源の複雑部分発作であり,抗欠神剤を部分発作に有効なフェニトインに変えたところ発作は著明に減少した.皮質焦点起源の非痙攣発作を全般性の非痙攣発作である欠神発作と誤認した結果,適剤の選択を誤ったのである.見かけの難治てんかんの好個の例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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