文献詳細
文献概要
特集 卒後教育(含新人教育)
理学療法士の卒後教育の実際―理学療法士作業療法士養成施設等教員長期講習会について
著者: 黒川幸雄1 矢島芳次2
所属機関: 1国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院 2社会医学技術学院
ページ範囲:P.168 - P.172
文献購入ページに移動1974年に第1回理学療法士作業療法士養成施設等教員長期講習会(以下,長期講習会と略す,)が開催されて以来,1989年でもって15回の長きを数えるに到っている.
この長期講習会の目的は,「理学療法士,作業療法士養成施設の教員(実習病院における指導者を含む.以下養成施設の教員等と言う.)の確保を図るため,現在教育に従事している者ならびに今後養成施設の教員等を希望する者に対し,より高度な知識技術を修得させ,併せてリハビリテーション医療の普及向上に資する」とある.この目的に沿って,すでに1300名余りの理学療法士と作業療法士の教育指導者が輩出し,教育・臨床の場で後輩の指導に当たっている.
長期講習会が実施されている法的背景に理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則第四条(理学療法士に係る学校又は養成施設の指定基準),第五条(作業療法士に係る学校又は養成施設の指定基準)があり,専任教員の資格や臨床実習の条件などについて規定している.さらに指導要領において臨床実習指導者の資格については,7項で他の実習施設に関する事項といっしょに規定してあり,「相当の経験を有する理学療法士(あるいは作業療法士)とし,そのうち少なくとも一人は免許を受けた後三年以上業務に従事した者であること」となっている.
現在全国の理学療法士養成校44校には各学年約1,000名の学生がいて2学年で数週間,3学年(4学年)で約半年の臨床実習を行なっており,学生の臨床教育上,この長期講習会の意義は大きいと考えられる.
本稿の目的は,長期講習会の受講者を対象としたアンケート調査の結果を基に実態,評価および意義と今後の課題について述べることである.
掲載誌情報