icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 拘縮

人工膝関節置換術における理学療法の役目と関節可動域に対する影響

著者: 藤原弘1 管野勝之1 中田隆文1 駒ケ嶺正隆2

所属機関: 1盛岡友愛病院 2盛岡友愛病院整形外科

ページ範囲:P.237 - P.242

文献購入ページに移動
 Ⅰ.初めに

 われわれ日本人の生活様式において,畳上動作,トイレ使用時では膝関節のより大きな屈曲を必要とすることが多い.また膝関節は歩行においても重心の上下動を少なくするため,遊脚初期で重要な役割を果たしている.ゆえに膝関節の機能障害が日本人の日常生活動作(以下,ADL)に,与える影響はきわめて大きいと言える.

 当院では慢性関節リウマチ(以下,RA),変形性膝関節症(以下,OA)により,高度に障害された膝関節に対し,機能の再建を目的として,人工膝関節置換術(以下,TKR)を施行している.使用した人工膝関節はYoshino-Shoji Ⅱ型(以下,Y/S Ⅱ型)である.それにより患者は,膝関節のより良好な支持性と可動性とを再び獲得し疼痛も軽減され,退院後には以前と同じような暮らしが可能になる.しかし手術によりいかに良い膝関節機能が再建されても,術前,術後の理学療法が正しく行なわなければ良い成績は得られなく,患者の満足度も低い.そこでわれわれは,術後の理学療法の重要性を患者に理解させ,指導することを心がけている.

 本稿では,これまでにTKR後の具体的な理学療法に関しての報告が少ないことから,当院で現在施行している理学療法に関して述べるとともにそれに伴う問題点について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?