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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻4号

1989年04月発行

文献概要

理学療法学科新入生への学生生活オリエンテーション

症例を通して学んだ幾つかのこと

著者: 長谷川恵子1

所属機関: 1筑波大学附属病院

ページ範囲:P.285 - P.285

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 野も山もすっかり春のよそおいとなり,新入学生の皆様は,期待と不安などに満ちた日々を過ごされておられることと思う.私も,昨年の今ごろは就職したてで,同じような心持ちだった.理学療法士として仕事を始めて約1年間に,多くの患者や周囲の人々とのかかわりがあった.“私がその中で得てきたことは,何だったのか”を,印象に残った幾つかの症例を通して述べてみたいと思う.

 一つ目は,独歩可能な片麻痺患者(36歳)を担当したときのことである.この方は,私が就職してから担当した2人目の片麻痺患者だった.少なくとも,本の上の知識や実習で学んだ範囲においては,その治療が行なえるはずであった.しかし,私は,その患者にもっとも必要とされる治療を即座に実施できなかった.まるで,崖の上から突き落とされるような心境だった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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