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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻5号

1989年05月発行

文献概要

1ページ講座 臨床検査値のみかた・5

「腎疾患」および「循環器疾患」

著者: 江藤文夫1

所属機関: 1東京大学リハビリテーション部

ページ範囲:P.364 - P.364

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 Ⅹ.腎疾患

 〔病態生理〕腎疾患の症候としては蛋白尿,血尿,浮腫,乏尿・無尿などさまざまにあるので代表的な蛋白尿について述べる.正常な糸球体では低分子の蛋白やごく少量のアルブミンが透過されるが,これらのほとんどは近位尿細管で再吸収されるので,尿中に排泄される1日の蛋白量は150mg以下であり,この中でアルブミンは約10mgである.尿蛋白の異常は糸球体性,尿細管性,溢流性に大別されるが,さらにHenle係蹄上行脚の尿細管細胞で産生されるTamm-Horsfall蛋白が加わる.これは正常人では1日30~50mg尿中に排泄される.

 蛋白尿は生理的蛋白尿と病的蛋白尿とに分けられる.前者には労作時や有熱時などに出現する熱性蛋白尿,運動性蛋白尿,食事性蛋白尿などが含まれ,腎血行動態の変化による直接的,間接的影響によるものと考えられる.病的蛋白尿はヘモグロビン尿,ミオグロビン尿,Bence Jones蛋白などの腎前性蛋白尿と,尿路感染症や尿路結石や腫瘍などによる腎後性蛋白尿と,本来の腎疾患による腎性蛋白尿とに分けられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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