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特集 通所・訪問リハビリテーションの技術
在宅身体障害者の生活指導―リハビリテーション援助に必要な生活構成要素の分析
著者: 福屋靖子1
所属機関: 1筑波大学教育研究科
ページ範囲:P.374 - P.383
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
“主体的な存在である人間”にとって,他人に指図されたり操作されたりすることは,受け入れ難いことである.人間にとっていちばん基本的な生きていくための毎日の生活の部分は,その人の主体性を裏付ける最後の砦(とりで)のようなものと言えよう.
在宅身体障害者の“生活指導”の特性は,
1)既存の生活を変革するための指導であること
2)リハビリテーション(以下リハと略.)目標達成のための土台,すなわち,自己実現の基盤作りであること
に有るとも言うことができる.
と言うのは,“既存の生活観”で生活した結果,廃用症候群に陥ったり,“寝たきり”になったりした人,あるいは,機能低下の虞(おそれ)のある人が生活指導の対象であるからである.
砂原は1),「リハ援助は,一人の人格としての障害者に対する全人間的接近であり,人間の価値の回復を目指すものであるから,単なる生物的人間ではなく,家庭的人間,社会的人間への到達を指向するのは当然である.」として,リハ関係者の日常の実践の足場としての“リハ理念”下での“技術”の重要性を述べている.
この主体性という砦に迫る,生活指導の難しさは,「既存の生活を変える必要性を認識させること」にあり,どこまで生活を変える必要性を真にわかってもらえるかが,指導の効果を左右すると言っても過言ではない.
“主体的な存在である人間”にとって,他人に指図されたり操作されたりすることは,受け入れ難いことである.人間にとっていちばん基本的な生きていくための毎日の生活の部分は,その人の主体性を裏付ける最後の砦(とりで)のようなものと言えよう.
在宅身体障害者の“生活指導”の特性は,
1)既存の生活を変革するための指導であること
2)リハビリテーション(以下リハと略.)目標達成のための土台,すなわち,自己実現の基盤作りであること
に有るとも言うことができる.
と言うのは,“既存の生活観”で生活した結果,廃用症候群に陥ったり,“寝たきり”になったりした人,あるいは,機能低下の虞(おそれ)のある人が生活指導の対象であるからである.
砂原は1),「リハ援助は,一人の人格としての障害者に対する全人間的接近であり,人間の価値の回復を目指すものであるから,単なる生物的人間ではなく,家庭的人間,社会的人間への到達を指向するのは当然である.」として,リハ関係者の日常の実践の足場としての“リハ理念”下での“技術”の重要性を述べている.
この主体性という砦に迫る,生活指導の難しさは,「既存の生活を変える必要性を認識させること」にあり,どこまで生活を変える必要性を真にわかってもらえるかが,指導の効果を左右すると言っても過言ではない.
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