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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻6号

1989年06月発行

文献概要

プログレス

アラキドン酸カスケード

著者: 鈴木啓文1 賀来正俊1

所属機関: 1兵庫医科大学第一生理学教室

ページ範囲:P.415 - P.415

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 筋肉,骨,脳,神経を含む全身のほとんどすべての臓器細胞について言えることであるが,細胞がホルモンや化学物質,物理的作用などの刺激を受けると,主にホスホリパーゼA2という酵素が活性化されて,これが細胞膜のリン脂質に結合したアラキドン酸を細胞内へ遊離させる.さらに,このアラキドン酸は次の三つの経路で代謝されて,以下の物質が生成される.

 ①シクロオキシゲナーゼ経路:プロスタグランジン(PG),トロンボキサン(TX).②リポキシゲナーゼ経路:HPETE,HETE,ロイコトリエン(LT),リポキシン(LX),ヘポキシリン(HX)など.③チトクロームP-450経路:エポキシド(EET),ω-水酸化-アラキドン酸など.これら全体の代謝図は,あたかも滝が流れの筋を広げながら落ちていくようすに似ているので,アラキドン酸カスケード(Arachidonic acid cascade;AC)と呼ばれている.一般に炭素数20個の多価不飽和脂肪酸(複数の二重結合をもった脂肪酸)をエイコサノイドと総称するが,そのカスケード(Eicosanoids cascade)の前駆物質には,それぞれ,三つ,四つ,五つの二重結合を有するジホモ-γ-リノレン酸,アラキドン酸,エイコサペンタエン酸があり,おのおの1(PGE1など),2(PGE2など),3(PGE3など)の三つのシリーズのカスケードをなす.その中で最も多く研究されているのが,2シリーズのACである(是非ACを雑誌1~3)で御覧ください).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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