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講座 理学療法評価・6
運動機能の評価・2―小児;小児神経発達学的治療における感覚運動障害の評価
著者: 河村光俊1
所属機関: 1金沢大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.419 - P.424
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
運動機能を評価する目的は①発達を停滞もしくは停止させている要因を発達運動学的・神経発達学的にとらえ,②早急に抑制すべき異常姿勢と異常運動とを明確にし,③早急に獲得すべき運動要素を明確にし,④機能的活動の獲得のための理学療法の計画・実施において,仮説とその実証を臨床的に確認し,理学療法の効果の考察を行なうことである.この視点に立って運動機能評価を計画もしくは選択しなければならない.理学療法士は日々の臨床でこのことを意識的もしくは無意識的に繰り返していると言える.
ほとんどの評価スケールは発達に問題をもつ子どもの診断と評価のために計画されているが運動学的要素を評価するようにはなっていない.すでに多く報告されている小児の運動発達・精神発達評価は直接理学療に結び付くものではなく,主として早期診断や発達診断のための評価であり1~3),中枢神経系障害の子どもや発達遅滞の子どもの運動要素を質的に評価し,具体的に運動療法に役だてるようには計画されていない.そのため,今までに多くの運動機能評価法が諸家から報告されているが,それらの目的を理解して使用する必要がある.
現在日本において報告されている小児の運動機能評価のほとんどが検者間の信頼性とテストの再現性(test-retest reliability)とについて検定されていない.欧米では多くの運動発達検査に対して検査の検者間の信頼性や評価の再現性についての研究報告が必ずと言ってもよいほどなされている.そして,標準化されていないことや,検者間の一致度,テスト結果に対する解釈の不備などを徹底して批判していることもある4~7).
運動機能を評価する目的は①発達を停滞もしくは停止させている要因を発達運動学的・神経発達学的にとらえ,②早急に抑制すべき異常姿勢と異常運動とを明確にし,③早急に獲得すべき運動要素を明確にし,④機能的活動の獲得のための理学療法の計画・実施において,仮説とその実証を臨床的に確認し,理学療法の効果の考察を行なうことである.この視点に立って運動機能評価を計画もしくは選択しなければならない.理学療法士は日々の臨床でこのことを意識的もしくは無意識的に繰り返していると言える.
ほとんどの評価スケールは発達に問題をもつ子どもの診断と評価のために計画されているが運動学的要素を評価するようにはなっていない.すでに多く報告されている小児の運動発達・精神発達評価は直接理学療に結び付くものではなく,主として早期診断や発達診断のための評価であり1~3),中枢神経系障害の子どもや発達遅滞の子どもの運動要素を質的に評価し,具体的に運動療法に役だてるようには計画されていない.そのため,今までに多くの運動機能評価法が諸家から報告されているが,それらの目的を理解して使用する必要がある.
現在日本において報告されている小児の運動機能評価のほとんどが検者間の信頼性とテストの再現性(test-retest reliability)とについて検定されていない.欧米では多くの運動発達検査に対して検査の検者間の信頼性や評価の再現性についての研究報告が必ずと言ってもよいほどなされている.そして,標準化されていないことや,検者間の一致度,テスト結果に対する解釈の不備などを徹底して批判していることもある4~7).
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