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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル23巻8号

1989年08月発行

文献概要

特集 医療事故

理学療法部門における事故

著者: 糠野猛人12 成瀬進1 三木晃1 藤吉健司1 吉尾雅春3

所属機関: 1有馬温泉病院 2協立温泉病院 3協和会病院

ページ範囲:P.527 - P.532

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 Ⅰ.初めに

 最近,新聞などで医療過誤や医療事故が多く取り上げられ,医療界に大きな波紋を投じている.医療事故問題は約30年前から徐々に生じてきたことであるが,特に近年,国民の医療知識レベルが向上し,医療への権利意識も強くなるに従って急増してきた.

 患者の健康上の権利をできるかぎり守っていくことは,医療人にとって不可欠な姿勢である.しかしその反面,自らの立場を保護しようとするため,事故を公にしたがらないことも事実である.このことは,理学療法の分野でも認められることであり,われわれの分野において事故に関する本格的な研究がなされていない大きな理由である1).このようなことから,事故防止に当たっては,個人的かつ経験的なものに頼らざるをえず,不幸な事態が避けられていないのが現状である.

 有馬温泉病院では,事故を未然に防ぐことを目的に,院内で起こったすべての事故の報告書を作成し,反省を重ねてきた.今回,それらの事故報告書を基に理学療法部門の事故の実態を調査検討したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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