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講座 理学療法評価・8
疼痛の評価
著者: 濱出茂治1
所属機関: 1金沢大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.545 - P.550
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
種々の疾患に伴う疼痛症状は理学療法における治療対象の一つである.疼痛を改善するために用いられる理学療法には温熱療法や電気療法などの物理療法やモビリゼーションなどの徒手療法が挙げられる1,2).
疼痛の発生原因は骨・関節に起因するものや神経圧迫によるものなどさまざまであるが,いずれにしても患者が表現する疼痛感覚は何らかの侵害刺激に対して身体が反応している状態,つまり身体組織の構造や機能が正常状態から逸脱していることを知らせるサインととらえることができる.したがって,その反応として生じている疼痛を単に抑えてしまおうとすることは必ずしも適当ではなく,そのサインがどのような侵害刺激によって表出されているものなのかよく検索する必要がある.
疼痛を評価する目的はその内容を検討することも含まれるが,本質的にはその原因を追求することに他ならないと言える.また,理学療法の治療手段は疼痛に対して一時的な効果を発揮することは可能であるが,根治的な治療手段ではないため,治療前後の評価による効果判定も十分に行なう必要がある.
本稿では理学療法領域でよく遭遇する器質的疼痛に対する評価の在りかたを主体に述べる.
種々の疾患に伴う疼痛症状は理学療法における治療対象の一つである.疼痛を改善するために用いられる理学療法には温熱療法や電気療法などの物理療法やモビリゼーションなどの徒手療法が挙げられる1,2).
疼痛の発生原因は骨・関節に起因するものや神経圧迫によるものなどさまざまであるが,いずれにしても患者が表現する疼痛感覚は何らかの侵害刺激に対して身体が反応している状態,つまり身体組織の構造や機能が正常状態から逸脱していることを知らせるサインととらえることができる.したがって,その反応として生じている疼痛を単に抑えてしまおうとすることは必ずしも適当ではなく,そのサインがどのような侵害刺激によって表出されているものなのかよく検索する必要がある.
疼痛を評価する目的はその内容を検討することも含まれるが,本質的にはその原因を追求することに他ならないと言える.また,理学療法の治療手段は疼痛に対して一時的な効果を発揮することは可能であるが,根治的な治療手段ではないため,治療前後の評価による効果判定も十分に行なう必要がある.
本稿では理学療法領域でよく遭遇する器質的疼痛に対する評価の在りかたを主体に述べる.
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