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特集 筋萎縮性疾患
筋緊張性ジストロフィー症のリハビリテーション
著者: 畑野栄治1 升田慶三2 生田義和1
所属機関: 1広島大学医学部整形外科 2国立療養所原病院神経内科
ページ範囲:P.592 - P.598
文献購入ページに移動筋緊張性ジストロフィー症は,Duchenne型,肢帯型,先天性筋ジストロフィーなどとともに筋ジストロフィーの中では重要な病型の一つである.常染色体性優性遺伝を示す本疾患の特徴が,筋萎縮や筋緊張などの筋病変だけであるならば,リハビリテーションによりそれなりの効果を得ることができる.しかし,本症は脳,内分泌器官,水晶体,生殖器官などの全身諸臓器に障害をきたし,特に人格面から生じる問題は大きなリハビリテーション阻害因子となる.このように,本疾患では多岐にわたる合併症がある分だけ,リハビリテーションを行なうに際しては他科との連携が必要であり,それだけリハビリテーションアプローチは多様となる.
本論では,最初に典型例を供覧した後で,それぞれの合併症の特徴を列記してリハビリテーションでの問題点を提起する.症例によってさまざまな症状を呈する本症のリハビリテーションについては,各自がこれらの問題点を総合的にとらえ,個別的にアプローチしていくよりほかはない.本論が,そのための一助となれば著者の喜びとするところである.
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