文献詳細
文献概要
クリニカル・ヒント
診る
著者: 武富由雄1
所属機関: 1神戸大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.657 - P.658
文献購入ページに移動診るについて,二つ目の笑えない話.西6階の整形外科病棟に,訓練の始まる前の患者の運動機能を診るために指導者は学生と同行し,病床を訪ねた.ベッドサイドで徒手筋力テストを行なう.指導者はsuper+visionする立場で教育上の監視者的役割,つまりできるだけ実習を通じて学ばせるようにする.学生はいきなり患者に向かって「ここのベッドの縁に座って,下肢を垂らして,ハイッ膝関節を伸展して」「いや,もっと力を入れて」とやった.患者は何の説明も受けず,これから何が始まるのかもわからない.しかも,身体部分や運動の方向に専門用語を使っている.この白衣を着た先生(?)が何者かも紹介を受けていない.何を私にせよと言うのか?と疑いの目を向けながらしぶしぶテスト運動に協力するといった場面であった.指導者にも責任の一端はあろうが.
掲載誌情報