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求心性・遠心性収縮による膝屈・伸筋力低下の比較
著者: 市橋則明1 伊藤浩充2
所属機関: 1神戸大学医療技術短期大学部 2神戸大学医学部附属病院
ページ範囲:P.713 - P.715
文献購入ページに移動大腿四頭筋とハムストリングスは,立ち上がり動作や歩行など日常生活を行なう下肢動作において非常に重要な筋である.また,動作時には求心性収縮や等尺性収縮だけでなく,遠心性収縮も必要と考えられる.特に,しゃがむ動作1)や階段昇降時2,3)には遠心性収縮が重要とされている.
筋力評価の方法としては,近年,等速性筋力評価が健常者や患者における筋力特性を測定するために使用されている.過去の研究では,トルクと収縮速度の関係4~10)や主動作筋と拮抗筋のトルクの割合10-13)が健常者において報告されている.しかしこれらの報告の多くは,求心性収縮による筋力(以下,CON筋力)を測定しており,遠心性収縮による筋力(以下,ECC筋力)を報告したものは比較的少ない.ECC筋力の研究は,Doss14)らによって報告され,肘関節屈筋のECC筋力がCON筋力よりも約40%大きかったとしている.その後の研究によりECC筋力がCON筋力よりも大きいことは認められている6~8,12,15~21).しかし遠心性収縮の研究は,健常者を対象としたものが多く,患者を対象に求心性収縮と遠心性収縮との比較をなった報告は少ない.
本研究の目的は,大腿四頭筋とハムストリングスの筋力低下を有している患者の求心性収縮と遠心性収縮による筋力を測定し,筋力低下の程度の違いを比較検討することである.
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