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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻10号

1990年10月発行

文献概要

クリニカル・ヒント

骨粗鬆症と理学療法

著者: 大内二男1

所属機関: 1神奈川県立厚木病院

ページ範囲:P.717 - P.717

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 トイレに行こうとして階段を降りるとき,最後の一段を踏み外して転落,背中を打って骨折を起こした.高齢になると骨が弱くなり骨折を起こしたことが原因で寝たきりの状態になることがよくある.骨折を起こさないように注意を払うことはたいせつだが,背景に骨粗鬆症があってちょっとした軽い圧迫でも骨折をしてしまう場合もある.高齢者の骨折では骨粗鬆症があるかどうかを確かめておくことは,治療に当たってたいせつなポイントであると考える.介護や理学療法の実施においても,それなりの配慮を要する.ここでは老人性骨粗鬆を取り上げて私見を述べてみる.

 医学大辞典によると,骨粗鬆症とは,骨の形態には変化無く,骨梁の減少,Havers管の拡大,骨皮質の薄くなった状態で骨髄腔が拡大されているものとあり,原因としては,①廃用性(長時間の安静・固定),②循環障害,③代謝障害④内分泌障害,⑤老人性など,と記してある.老人性骨粗鬆症では,生理的,加齢的に骨量が減少して,空洞の多い骨組織となっている.すなわち外力に対して骨の抵抗力が弱まり,少しの力でも容易にひび割れ,骨折を生じてしまうことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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