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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻12号

1990年12月発行

文献概要

特集 いす

障害者といす

著者: 畠中泰司1 大川嗣雄1 伊藤利之2

所属機関: 1横浜市立大学医学部病院リハビリテーション科 2横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所

ページ範囲:P.805 - P.811

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 Ⅰ.初めに

 人々が日常生活を送るなかで,もつとも基本的な姿勢には,立位,座位,臥位の三つの姿勢が挙げられる.このなかで座位姿勢は,一般的に疲れたら座る,座って仕事をする,座って話をするなど,いろいろな目的のための一つの姿勢である.また,座位にはいす座位と床上座位とがあり,これらは立位との中間的な姿勢としてもとらえることができる.この座位に対応する道具がいすであり,いすでの座位は,医学的リハビリテーションの場面で,基本的な姿勢の一つとして,治療手段や治療目的とされるなど,座位を支える道具としてのいすの果たす役割は,座位保持が困難な障害児・者にとって,機能維持や改善を図るばかりでなく,日常生活を送る上でも重要である.

 リハビリテーションの進歩に伴ない,重度障害児・者に対してもリハビリテーションサービスの供給が可能となり,多様なアプローチが行なわれるようになってきた.福祉機器と呼ばれるものもリハビリテーションアプローチの一つであるが,この分野では最近,座位を保持することができない,いわゆる座位保持障害に対して,座位を可能にするための座位保持いすの必要性が強調されてきた.この点で,1989年度から補装具の交付制度に新しく『座位保持装置』として座位保持いすが加えられたことは,座位保持障害児・者にとってこの上ない朗報である.

 特に,障害児に対する座位保持の有効性に関する報告は多いが,われわれも昭和40年代から多くの症例に座位保持いすを処方してきたので,その経験を踏まえて座位保持装置を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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