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文献概要
特集 いす
在宅障害老人といす
著者: 森本栄1 松木秀行1 伊藤隆夫1 小笠原正1 國澤雅裕1
所属機関: 1近森リハビリテーション病院
ページ範囲:P.819 - P.823
文献購入ページに移動まず,在宅において生活している障害老人といすが,どのような関係の上に成り立っているかを考えたい.いすは本来坐位姿勢を取らせる道具であるが,坐位姿勢を保持することで総臥床時間を減少させ,機能の低下,合併症の誘発,心理的な荒廃などを防ぐことに役だつ.さらに,単に寝たきりになるのを防ぐだけでなく坐位からその状態に応じて活動範囲の拡大,介助量の軽減などへと展開していく出発点となる.
一般的にいすには,その目的に応じてさまざまな形態や種類がある.障害老人がいすを使用する場合は,障害者個人の身体機能と使用目的(休憩,介護,訓練など)を考え,いすの形態(高さ,幅,機能など)を選択し適合させていくことが必要と考える.
しかし,在宅ではそれに加え介護者の問題,生活環境の違いなどからその適応,目的,活用方法が異なってくるためさまざまな因子を考慮に入れ幅広い対応が必要である.近森リハビリテーション病院では退院患者に対し入院時からの機能を維持,継続した在宅生活が送れるように継続医療を実施し支援している.
今回はこの活動を通じてかかわった在宅障害老人を対象に,在宅での坐位の確保といすとの関係,使用目的,いすを適用させるにはどうすれば良いかなどを再検討した.
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