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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻2号

1990年02月発行

雑誌目次

特集 履物

履物の歴史

著者: 福原一郎

ページ範囲:P.72 - P.76

 Ⅰ.古代の履物

 直立二足歩行をする人間が,いつごろから履物(はきもの)を履くようになったかは明らかではないが,履物として歴史の上に登場するのは紀元前2000年ころの古代エジプトのサンダル(Sandal)と言われている.

 サンダルは足の裏を形どった1枚の板の上に足を載せ,革の紐(ひも)などで,底の板と足の甲とを結び付けた足を露出する開放的な履物である.

靴の構造とその名称

著者: 山本宏

ページ範囲:P.77 - P.80

 Ⅰ.フィッティングのたいせつさ

 靴は履く人の全体重の支持と歩行のための道具であるという,ウェアとしてはきわめてシビアな要件を満たしていなければならない商品です.しかも,まず履く人の足に合うということが大前提となります.

 本来,既製品とは不特定多数の人を対象に量産し,そのまま消費者に売るものですが,,靴は既製品と言っても,最終的には一人ひとり異なった足に合わせて売らなければなりません.したがって,造るときは既製品でありながら,売るときは注文品に近いという,他の商品とは根本的に異質な商品だと言えるでしょう.靴は合わないものを履き続けていると骨組みまでゆがめてしまいますが,こんな恐ろしい商品が他にあるでしょうか.

リウマチ患者の履物

著者: 田島規子

ページ範囲:P.81 - P.85

 Ⅰ.初めに

 慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis:以下,リウマチ)は全身の慢性,進行性の炎症性疾患であり,リウマチによる炎症は関節破壊を起こし重篤な身体障害となる.関節破壊は関節可動域の完全な消失になる強直から軟部組織に原因して関節可動域の制限を生じる拘縮,さらに関節包の拡大,靱帯や腱の断裂,筋萎縮や筋力低下による病的脱臼や軸性(alignment)の異常を起こす.これらの多彩な病態が一人の患者の多数の関節に混在し,その上それぞれの関節の変化が病期も進行速度もまったく異なる展開をする.

 このようなリウマチ疾患の特有な経過をよく理解してリウマチ患者の変形障害を判断して装具の検討をすることが,有効な装具を得るポイントになる.さらに既存の装具はほとんどがself-limitedな障害に対して考えられてきたものであり,そのためにどのような装具を利用してもリウマチ疾患による変形障害に完全に適応することは少ない.

変形性膝関節症と足底装具の効果

著者: 玉井研一 ,   首藤貴

ページ範囲:P.86 - P.91

 Ⅰ.初めに

 変形性膝関節症は関節疾患の中でもっとも頻度が高く,整形外科診療の場において遭遇する機会が非常に多い.変形性膝関節症では,明らかな原因が無く発症したいわゆる一次性のものが多いとされている.しかし,実際には何らかの生体力学的な異常が存在し,それに加齢による関節の変性が加わって発症したものが多いと考えられる1,2)

 変形性膝関節症の治療には,保存療法と手術療法とがあり,それぞれに種々の方法が存在する.それらの中には生体力学的な面から考案された治療法も多い.特に装具療法においては生体力学的異常の矯正を主たる目的としている.ここでは足底装具の効果についてわれわれの行なった実験結果を基に記述し,変形性膝関節症に対する装具療法に関するわれわれの考えかたを紹介する.

スポーツシューズの機能

著者: 福岡正信

ページ範囲:P.92 - P.95

 Ⅰ.初めに

 靴の中でもっともたいせつなことは使用する人の足にフィットしていることである.ぴったり合った靴を作るには,人の足型を石膏で採型してそれを靴型(木型)として靴を作成すると良いと考えがちである.しかし人の足は一歩ごとに伸縮するので,実際の足寸法より靴型を部位によって大きくしたり小さくしたりしなければ人の履けるような靴とはならない.またデザイン,素材(皮革,人工皮革,キャンバス,ナイロンなど)が異なると,同じ靴型でもでき上がった靴の適合サイズはそれぞれ異なってしまうという難しさがある.そのためメーカーでは年齢別,性別に人の足のサイズ分布の調査,靴造りの基本となる木型の研究などを行なっている.その上で使用する人の身体を保護したり,それぞれの競技で能力を最大限に引き出すための多様な機能が必要になり,競技別,使用目的別のスポーツシューズの研究が行なわれている.

<雑感>履物への思い

著者: 山下隆昭

ページ範囲:P.96 - P.96

 1.ある少女

 その少女は股関節脱臼による脚長差がかなりあった.この差を補うために,女学生用の黒い靴の踵部分に補高がなされた.脚長差は十分に解消し,歩行パターンも見違えるほどに改善した.が,ショックで一晩中泣き明かし,二度とこの靴を履こうとはしなかった.

 若い女性をはじめとして,靴の機能性のみを追求した場合は,いくら改善が認められても外観が良くないと装着してもらえないことをこの症例で痛感した.

<雑感>スポーツ選手と下肢アライメント―靴・補助具について

著者: 川野哲英

ページ範囲:P.97 - P.97

 スポーツ選手の靴は保護と,その競技における最高のパフォーマンスを引き出す用具としての期待がある.この点についてスポーツ医・科学の研究などにより徐々に開発が進められ,靴の構造における形態および使用する素材にくふうがなされてきた.

 スポーツの靴については整形外科医同様,理学療法士もスポー外傷・障害との関係を知っていることがもっとも直接的に必要である.一般にこれは下肢アライメントの考えかたに集約され,特にランニング最大荷重位のmid supportでの問題が挙げられる.この際回内足があれば,足アーチの降下による足部の障害,また重心の内方移動による膝関節の外反の増強は脛骨大腿関節の内側を伸張させる.これが頻回に繰り返されれば鵞足や膝蓋靱帯へのover useとなり,瞬時に強大な外力が加われば内側側副靱帯や前十字靱帯損傷を起こす.膝蓋大腿関節でもQ-angleが増大して大腿四頭筋収縮による伸展トルクは膝蓋骨の外方偏移ベクトルを強め,膝蓋大腿関節に非合理な運動となり“ランナー膝”の原因となる.これらの機序は一般にX脚をもつ者も同様である.

<雑感>北海道・冬場の靴と歩きかた

著者: 高橋光彦

ページ範囲:P.98 - P.98

 私が東京都立府中病院に勤めていたころ,冬になると「札幌の雪祭りが1回でも見られればいいなあ.」と思っていた.その札幌に来て丸4年が過ぎ雪祭りを4回も見てしまいました.1985年秋に来道した当初,道内の諸先生から冬の北海道は本州とはちょっと違うと聞かされ,どこが違うのかわからなかったので聞いてみますと,まず,夏と冬とでは靴が違うこと・歩きかたが違うことを聞かされました.そしてこのことを知らないと,滑って転ぶことを保証されました.

 冬の北海道は土地が広大であるため,内陸部である帯広,陸別,釧路などは雪が少なく寒さが厳しくて,厳冬期には零下数十度にもなります.一方,雪の多い所としては江別,岩見沢,札幌などが挙げられます.

とびら

高齢化社会と子ども

著者: 鶴見隆正

ページ範囲:P.71 - P.71

 われわれ理学療法士は,医学的リハビリテーションの一環として片麻痺患者や脊髄損傷患者などの退院後フォローアップを在宅訪問の形で以前から行なってきたが,現在のように多くの理学療法士が組織だって地域リハビリテーションにかかわるようになり始めたのはここ10数年である.この間に地域リハビリテーションという用語も定着し,その活動に対する行政,地域住民のニードは質的にも量的にもますます拡大してきている.

 これに呼応するがごとく,新聞やテレビで高齢化社会に関する報道がされない日は無い.公的年金,趣味,生きがい,健康などの相談といった生活基盤となるものから,独居老人の実態,寝たきり老人の介護方法まで詳しく報道されており一般の人々への情報も専門的になってきている.

 それだけにわれわれ理学療法士は,通所訓練会や訪問指導といった直接的な援助ばかりにとらわれずに,より多面的な視点で老人問題を思考した上で取り組むことが必要である.

入門講座 理学療法プログラムの立てかた・2

整形外科疾患に対する理学療法プログラムの基礎―特に代表的疾患についで

著者: 中村武司 ,   山本修 ,   岡半

ページ範囲:P.99 - P.103

 Ⅰ.初めに

 骨・筋・腱・靭帯などの損傷の治療のさい,初期治法として局所を安静ないし固定する治法が追加されるのが常である.その目的は局所を安静ないし不動性にすることで,損傷部位を望ましい肢位に保つと同時に運動痛を軽減することにある.

 問題は,損傷部位に処方される安静や固定である.安静ないし固定のメリットとして,局所の良肢位の保持と運動痛の軽減とがある.デメリットとして,安静ないし固定により生じる骨・筋・腱・靱帯の萎縮・短縮・癒着に起因する関連関節の拘縮や筋力の弱化である.この続発する拘縮や筋力弱化は時として長期間にわたって遺残し,後の理学療法にも強く抵抗する場合がある.

 理学療法の目的は,前述の治療過程におけるメリットを生かしながら,デメリットをより少なくする治療を実施することにある.

 生体が生体であることの大きな特徴の一つに,生体組織ではつねに破壊と再生が繰り返されているという事実がある.生体が再生を繰り返すためには,局所につねに新鮮な血液の補給が必要である.この血液の補給において,局所の筋運動の果たす役割は大きく,筋ポンプ作用として知られている.

 理学療法の処方にさいし,筋ポンプ作用の促進はたいせつである.理学療法のスタートは初期治療後に始まるのではなく,初期治療と同時にスタートしなければならない.治療法に初期治療法と後療法がある如く,理学療法プログラムにおいても初期プログラムと後期プログラムが存在するのである.

 ある疾患に理学療法が処方されるさい,まず先行するのが初期治療である.理学療法プログラムは,初期治療の方法によっても大きく影響を受ける.そこで理学療法プログラム作成の原点を,次の順序で検討することにする.

 まず代表的疾患とその治療法を述べ,この治療過程における理学療法面からみた問題点を列挙し,その問題点に対する理学療法よりみたアプローチを述べる.最後に,疾患に対する理学療法プログラムの要点をポイントにして記す.

講座 リハビリテーションと住宅改造・2

我が国の住環境基準と身体障害者

著者: 岩井一幸

ページ範囲:P.105 - P.110

 Ⅰ.身体障害老を配慮した住環境基準の展開

 身体障害者と関連して生活をする場の物的環境が問題となったのは,1950年代であり,1961年になって初めて身体障害者の住環境に対する要求条件が,技術によって実現すべき目標を示した技術仕様書の形で公的に刊行される.これがアメリカ規格協会によって作成され,住宅を除く建物を対象としたガイドラインASAA117.1「建物及び設備を身体障害者にも近ずきやすく,使用できるものにするためのアメリカ規格仕様書」である.ここではこのような公的な住環境基準について述べる.

 これに影響を受けて,この後ヨーロッパ諸国を中心に各国で技術仕様書の形でガイドラインの作成が行なわれる.

クリニカル・ヒント

臨床実習教育時の心得―学生への教育法

著者: 前田哲男

ページ範囲:P.111 - P.112

 1.初めに

 臨床実習教育における学生への具体的対応法はこれまでもいくつか述べられていますが,ここでは東京大学医学部附属病院リハビリテーション部理学療法部門の内部資料である「臨床実習ハンドブック」(1985)の中から,新しく臨床実習指導者(以後,SVと略.)になった人への助言について述べてある章を基盤とし,自分自身のSV時代の経験や,他のSVからの経験談も参考にして,‘クリニカル・ヒント’とは言えないですが,私自身の考えを述べます.

プログレス

心肺蘇生法の新しい考えかた・2

著者: 山本保博

ページ範囲:P.113 - P.113

<心肺蘇生に関する最近の考えかた>

 急性心停止後の動脈血ガスの変化は,Safarらの実験で次のようにわかってきた.心室細動を起こしたイヌに,心肺蘇生を行なわずに大動脈血PO2を測定すると,心停止後20分までは60mmHg以上に保たれていた.筆者の経験でも,脳死患者の無呼吸テストの際にみられるPaO2は,20分後においても70mmHg以上だった.しかし,この症例では換気が行なわれていないため,PaCO2は漸次上昇し続け,20分後には168mmHgにもなってしまった.

 Safarは,CPRではABC(前号参照)の順で開始する理由を次のように挙げている.

PT最前線

在院から在宅まで一貫した見地で―「その人の立場で考える」 永原久栄氏/<証言>同級生のよしみで

著者: 本紙編集室 ,   吉田尚志

ページ範囲:P.114 - P.115

 人生の先輩である老人を理解するためには,若いうちにおおいに遊び普通の生活を体験するのがいいとおっしゃる.また,その人の要求がどういう背景をもって出ているのか,それを把握できた上でアドヴァイスができるといいな,と経験を語ってくださった.

あんてな

障害児に対するパソコン教育

著者: 坂本悟郎

ページ範囲:P.116 - P.116

 脳性麻痺児のA君はことばをもたない.移動は電動車いす,下肢の指で操縦する.他のADLは全面介助である.A君が「文化祭」の劇の音楽を担当した.もちろん鉛筆も持てないし,楽器を奏でることも不可能である.彼は得意のパーソナル・コンピュータ(以下,パソコン)で曲作りを行なった.足指でのキーボード操作によるデータ入力は時間がかかる.当日は満員の体育館で上演され,みごとなできばえであった.今まで演奏経験は一度として無かったろう.終了後の彼の嬉しそうで満足した顔は今でも眼に焼き付いている.パソコンの可能性の大きさを改めて思い知らされた.

 さて,障害児に対するパソコン指導には二つの側面がある.第一はA君が障害を克服する手段として「自助具」的に活用したように障害に応じた利用のしかた,および学習や生活に生かす方法の指導であり,第二にはパソコンの基本機器の構成や設定,基本機能の理解,オペレーション・システムの理解などの指導である.このような考えかたの下に,本校では1987年度から高等部「職業に関する科目」の中で選択としてパソコン指導を行なってきた.A君もその中の一人である.生徒たちはパソコンへ強い興味と関心をもち,大きな期待を寄せていることを身をもって実感している.

短報

慢性関節リウマチにおける脛骨の後方亜脱臼について―大腿四頭筋筋力と膝関節移動比の検討を中心として

著者: 福迫剛 ,   石峰昌雄 ,   俵積田光宏 ,   松元義彦 ,   泉原智麿 ,   松田剛正

ページ範囲:P.117 - P.118

 Ⅰ.初めに

 慢性関節リウマチ(以下,RA)の膝関節では,発症初期の症例でも,脛骨の上端が後方に落ち込んでいる“脛骨の後方亜脱臼”を呈していることが少なくない.

 臨床では,RAのコントロールが良好であっても,膝関節の脛骨上端の後方落ち込みが高度であるほど膝関節伸展時に疼痛が生じやすく,大腿四頭筋筋力の改善も思わしくなかった.このようなことから,膝関節の脛骨上端の後方落ち込みが膝関節の疼痛や大腿四頭筋の筋力に深く関与しているのではないかと考えた.そこで今回,RA患者13例(24膝)を対象に大腿四頭筋筋力と膝関節の脛骨上端の後方落ち込み(膝関節の移動比)とを調べ,若干の知見を得たので報告する.

筋力増強訓練におけるEMG-Biofeedbackの効果について―視覚フィードバックと聴覚フィードバックとの比較について

著者: 武政誠一 ,   嶋田智明 ,   武部恭一 ,   宮本真美 ,   千石孝姫 ,   平山敦子

ページ範囲:P.119 - P.121

 Ⅰ.初めに

 EMG-Biofeedback(以下,E-BFと略.)治療については,Marinancciら1)の報告以来,多くの臨床応用がなされており,リハビリテーション領域においてもその治療効果についての報告も多い.しかし,筋力増強訓練法に関してE-BFを用いた訓練と,従来からの訓練方法とを比較した報告は少ない.そこで今回われわれは,従来から用いられている筋力増強訓練とE-BF訓練として視覚フィードバックと聴覚フィードバックを用いた筋力増強訓練を行ない,その効果を比較し,E-BFの訓練について若干の考察を加えてみた.

極低温療法のH波に及ぼす影響

著者: 濱出茂治 ,   立野勝彦 ,   井舟正秀 ,   出口清喜 ,   川畑義光 ,   埴生知則

ページ範囲:P.122 - P.124

 Ⅰ.初めに

 現在,臨床において極低温療法は多発性関節リウマチや変形性関節症などを対象に広く応用され,抗炎症作用による鎮痛を目的として使用されている1,2).しかし,これまでに開発されている極低温空気発生装置は液化窒素と酸素とを混合して得られる-150℃の人工空気を患者の患部に噴射する方法をとっており,安全性や治療コストの面において必ずしも十分に配慮されているとは言い難い.

 近年,従来市販されている装置よりも高温ではあるが,低コストの極低温空気発生装置が開発されつつある.今回,われわれは-30℃の極低温空気を発生する装置を使用する機会を得,その効果について検索した.特に鎮痛効果以外の作用を検討するため,脳血管障害による片麻痺患者の筋痙性に着目し,その抑制効果をH波を指標として検索した結果,若干の知見を得たので報告する.

紹介

フィンランドの理学療法

著者: 武富由雄

ページ範囲:P.125 - P.127

 Ⅰ.初めに

 フィンランドはおよそ北緯60°から70°,東経20°から32°の間に位置している.ちなみに我が国の北端,北海道の宗谷の位置(北緯45°)と比較してみるとはるかに北方であることがわかる.森や湖におおわれた美しい国である.フィンランドの人口は約500万人.100人に一つの割合で湖があると言われるほど湖が多い.

 第1回スカンディナビア-日本肩関節学会がフィンランドの首都ヘルシンキで1989年6月26日から29日まで開催され,研究発表を兼ねてフィンランドの理学療法関係施設を視察し,この国の理学療法を垣間見ることができたのでここに紹介,報告する.

 フィンランド理学療法士協会に照会をしたところ,渉外部のLeona Noronen女史を紹介された.宿泊予定のホテルには,すでに彼女からのメッセージとフィンランド理学療法士協会発行の雑誌とが届いていた.Noronen女史は現在の理学療法士教育に携わる前にはヘルシンキ医学部附属病院理学療法部の主任であった.したがってこの国の理学療法の歴史,組織,教育,業務などに通じていて,多面的に尋ねることができた(図1).

実習レポート

症例報告 弓部大動脈瘤に脳幹部梗塞を合併した一症例/Comment

著者: 木村雅彦 ,   牧田光代

ページ範囲:P.128 - P.130

 1.初めに

 大動脈瘤は平均寿命の高齢化,動脈硬化症など原疾患の増加とともに近年増加しているが,リハビリテーションプログラムとして普及したリスク管理は少ない.弓部大動脈瘤に脳幹部梗塞を合併し,多くの配慮を必要とした症例の経験を報告する.

1ページ講座 福祉制度の手引き・2

身体障害者更生相談所・身体障害者福祉センター

著者: 山本和儀

ページ範囲:P.131 - P.131

 Ⅰ.身体障害者更生相談所(図1)

 身体の不自由な人々の更生についての専門的な相談や専門的判定を行なう専門機関として,各都道府県(指定都市は任意設置)に設けられたのが身体障害者更生相談所である.ここでは医師,心理判定員,職能判定員などの専門職員が配置されており各種検査設備などが整えられていて,つねに福祉事務所と密接な連絡を取りながら,相談,指導,判定業務を行なっている.

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文献抄録

ページ範囲:P.132 - P.133

編集後記

著者: 奈良勲

ページ範囲:P.136 - P.136

 ヒトが進化して二足歩行に至り,足は全体重を支え,かつ大地と接する唯一の部分となった.進化の過程で,この用途に適応して足の形態・機能も徐々に変化してきたに違いない.種々の動物をみると,その移動様式や生息状態により,足の形態・機能もそれぞれのニーズに適したものになっている.

 福原氏によれば,人間が履物を履くようになったのは紀元2000年ころとのこと,それも,履いたのはエジプトの王や貴族だけで装飾や権威を表すものであったという.その後履物とはいえ,国の文化や風土そして用途などにより,大きく変遷してきている.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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