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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻2号

1990年02月発行

文献概要

特集 履物

<雑感>スポーツ選手と下肢アライメント―靴・補助具について

著者: 川野哲英1

所属機関: 1日本体育協会スポーツ診療所

ページ範囲:P.97 - P.97

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 スポーツ選手の靴は保護と,その競技における最高のパフォーマンスを引き出す用具としての期待がある.この点についてスポーツ医・科学の研究などにより徐々に開発が進められ,靴の構造における形態および使用する素材にくふうがなされてきた.

 スポーツの靴については整形外科医同様,理学療法士もスポー外傷・障害との関係を知っていることがもっとも直接的に必要である.一般にこれは下肢アライメントの考えかたに集約され,特にランニング最大荷重位のmid supportでの問題が挙げられる.この際回内足があれば,足アーチの降下による足部の障害,また重心の内方移動による膝関節の外反の増強は脛骨大腿関節の内側を伸張させる.これが頻回に繰り返されれば鵞足や膝蓋靱帯へのover useとなり,瞬時に強大な外力が加われば内側側副靱帯や前十字靱帯損傷を起こす.膝蓋大腿関節でもQ-angleが増大して大腿四頭筋収縮による伸展トルクは膝蓋骨の外方偏移ベクトルを強め,膝蓋大腿関節に非合理な運動となり“ランナー膝”の原因となる.これらの機序は一般にX脚をもつ者も同様である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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