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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 苦労した症例報告集

―重複障害―片麻痺に大腿切断を合併した重複障害例のリハビリテーション

著者: 小嶋功1

所属機関: 1兵庫県リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.145 - P.150

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 Ⅰ.初めに

 欧米諸国においては血行障害を原因とした下肢切断は80~90%を占めているが,我が国では30%を越える報告は無い.米国では約80,000人が下肢切断となり,その大半は下腿切断であると言われている.

 下肢切断者のリハビリテーションは血行障害によるものに関心が置かれているが,その中で,片麻痺に下肢切断を合併した重複障害は比較的まれではなく,OConnell1)らは高齢の血行障害によって下肢切断が先行し,その後片麻痺を合併したものは約10%であったと述べている.また,低いものでも4%,高いものでは29%であったと報告している.当センターにおける同様の統計では2.8%であった.

 今回,閉塞性動脈硬化症を起因とした脳血栓による左片麻痺・左下肢動脈閉塞による左大腿切断・心筋梗塞を合併し,さらに脳血管障害を再発して徐々に機能低下を示した症例を対象に,義足装着の適応と限界,問題点,ゴールセッティングなどのリハビリテーション遂行上きわめて困難な問題を有した症例を経験したので,考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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