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プログレス
末梢循環障害に対する人工血管の応用と進歩
著者: 江里健輔1 中村丘1
所属機関: 1山口大学医学部第一外科
ページ範囲:P.335 - P.335
文献購入ページに移動 人工血管は歴史的にみてその臨床応用も古く,現在もつとも多用されている人工臓器の一つで,大および中口径人工血管はすでに臨床に繁用され,ほとんど問題は無い.問題は小口径人工血管で,開存率も不良である.現在使用されている人工血管はダクロンもしくはテフロン布製がもっとも多いが,布製人工血管内面には移植後1~2mmの厚さの新鮮血栓が生じ,その後同部に平滑筋細胞や繊維芽細胞が進入し,内面が内皮細胞で覆われて完全な抗血栓性を得る.したがって移植初期の抗血栓性の乏しさから形成された仮性内膜が厚いため小口径人工血管の材質としては,ダクロンもしくはテフロン布は不適当である.
人工血管の基本的条件として①生体内で劣化せず基本構造を保ち,②適当な有孔性をもち細胞成分との親和性が高く,③内腔血流面での抗血栓性が高いことが挙げられる.現時点で術後長期間にわたって完全な抗血栓性をもつ小口径人工血管は無い.
人工血管の基本的条件として①生体内で劣化せず基本構造を保ち,②適当な有孔性をもち細胞成分との親和性が高く,③内腔血流面での抗血栓性が高いことが挙げられる.現時点で術後長期間にわたって完全な抗血栓性をもつ小口径人工血管は無い.
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