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特集 起居動作
起居動作総論
著者: 安藤徳彦1
所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院
ページ範囲:P.432 - P.434
文献購入ページに移動 Ⅰ.用語について
起居動作をkey word集で渉猟してみても,起坐・起立・歩行などの個別具体的な動作を示す用語はあるが,「起居動作」ということばを見つけることはできない.代表的な教科書の類も,脊髄損傷や脳卒中片麻痺の各論中に動作訓練の方法が記載されているのみで,総論の章に歩行という項目は設定してあっても,起居動作というものを総括的に取り上げたものは見付からない.
ベッドやいすを利用する生活環境では,三次元空間での上下方向の移動距離は少なくて済むのに対して,日本のように屋外と屋内との間にすでに高い段差があり,室内でも畳を利用し,便所や風呂の構造も特殊な環境ではそうはいかない.しかも上下方向の移動だけでなく,狭い・掴(つか)まれない・改造できないなどの固有の問題も多い.以上のように考えると,少なくとも,日本の特殊な居住環境では,総論的な検討が不可欠であろうと思う.
起居動作をkey word集で渉猟してみても,起坐・起立・歩行などの個別具体的な動作を示す用語はあるが,「起居動作」ということばを見つけることはできない.代表的な教科書の類も,脊髄損傷や脳卒中片麻痺の各論中に動作訓練の方法が記載されているのみで,総論の章に歩行という項目は設定してあっても,起居動作というものを総括的に取り上げたものは見付からない.
ベッドやいすを利用する生活環境では,三次元空間での上下方向の移動距離は少なくて済むのに対して,日本のように屋外と屋内との間にすでに高い段差があり,室内でも畳を利用し,便所や風呂の構造も特殊な環境ではそうはいかない.しかも上下方向の移動だけでなく,狭い・掴(つか)まれない・改造できないなどの固有の問題も多い.以上のように考えると,少なくとも,日本の特殊な居住環境では,総論的な検討が不可欠であろうと思う.
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