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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル24巻7号

1990年07月発行

文献概要

特集 起居動作

リウマチ患者の起居動作の指導とくふう

著者: 川西雄三郎1 高木章好1 伊藤正彦1 杉山寿美子1 羽根田匡代1 浅井克己1 吉田勝彦1 廣林達也1 川極由里香1

所属機関: 1榊原みのり会病院

ページ範囲:P.458 - P.461

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 Ⅰ.初めに

 慢性関節リウマチ(以下,RAと略.)は非化膿性の慢性関節炎を主症状とし,他の全身症状や多くの関節外の炎症症状を有する全身性疾患である1).そのためRA患者の起居動作の指導においては,痛みに注意を有することはもちろんであるが,特に関節への影響に注意を要する.起居動作において,現在どの動作ができないのか,またそれが何故できないのか(疼痛のためか,拘縮のためか,筋力の低下のためか,朝のこわばりのためか,また全身症状のためかなど)要因はいろいろと考えられる.また,現在,動作は可能だがこの動作により将来関節への悪影響を与えるおそれは無いか,また他の関節部位への影響はどうかなどをセラピストは考慮しながらRA患者に起居動作を指導する必要がある.しかし患者に将来,関節に悪影響を与えるおそれのある動作を行なわないように指導しても,なかなか守られない.それは起居動作が,人が生活していく上で必要不可欠な動作であるからである.RA患者は他の疾患と違って,多くは徐々に進行し,起居動作が困難になっていく.その間RA患者は,自身の筋力低下や関節可動域の減少などを身体で自覚し,できるだけ疼痛を誘発しない方法を自らくふうする.セラピストは,RA患者がその自らくふうした起居動作を寛容に受け止めながら,他の関節への悪影響を考慮し指導する.

 本稿では特に頸椎に異常を認めたRA患者に対しての起居動作の指導と,当院で行なっているRA患者全般に対しての起居動作の指導を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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