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特集 ハイリスク・体力消耗状態
重症ハイリスク疾患による全身体力消耗状態のリハビリテーション―横浜市立大学病院の現状
著者: 半澤直美1 大川嗣雄1 隆島研吾1 小倉秀子1
所属機関: 1横浜市立大学病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.513 - P.517
文献購入ページに移動最近数年間の当科初診患者の動向をみると,従来のリハビリテーション医学の対象疾患の中に分類しきれない患者群の増加が目だってきている.これらの患者の多くは原疾患自体が重症で,重度の廃用症候群を伴い生命予後も悪く,対応に苦慮することが多い.そしてこの問題については,最近2,3年の間にいくつかの報告もなされるようになった1~3).この小論では,過去6年間の当科における,上記患者群に対するリハビリテーションの現状をまとめ,その効果と意義について考えてみたい.
まず対象の選択に当たっては,上田4),大川1)らの「重症ハイリスク疾患による全身体力消耗状態」(以下「ハイリスク・体力消耗状態」と略す.)の定義に沿って行なった.その定義は,①原疾患自体が重症で生命の危険が大きく,全身の体力を消耗させる,②このような状態の継続によって廃用症候群が加わっている,③原疾患に対する治療もまた体力を消耗させる,などが重要な点として挙げられている.さらに今回は,原疾患が直接の原因である運動機能障害が有り,それが障害の主体をなす場合は除外した.
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