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特集 ハイリスク・体力消耗状態
骨髄移植のリハビリテーション―その効果と実際
著者: 豊倉穣1 石田暉2 林克郎3 及川由香3 村上恵一1
所属機関: 1東海大学医学部リハビリテーション学教室 2東海大学大磯病院リハビリテーション科 3東海大学病院リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.518 - P.524
文献購入ページに移動従来,根本的治療は困難とされた白血病,再生不良性貧血などに対し,骨髄移植は画期的治療法として発展してきた.当院では1981年,臨床,基礎,看護,栄養課など各専門分野のメンバーに,当リハビリテーション科も加わった骨髄移植チームが結成された.当大学病院の骨髄移植の詳細についてはすでに成書1)も出版され,リハビリテーションの有用性についての報告も行なってきた2-5).
リハビリテーションの立場から骨髄移植を考えた場合,疾患そのものによる障害よりも,抗癌剤・免疫抑制剤の使用,放射線全身照射,無菌室への長期隔離などによって必然的に生じてくる,言わば医源性の廃用症候群,体力消耗状態への対応がもっとも重要となる.しかも,これらのアプローチは骨髄抑制という,ハイリスク状態の中で展開されなければならない.骨髄移植後のリハビリテーションの目的は,諸々の問題点を十分把握し,廃用症候群の合併を極力防ぐことによって,退院後の社会生活における高いQOLを実現させることにある.
今回,「ハイリスク・体力消耗状態」の特集において,骨髄移植という特殊な状況下でわれわれの行なっているリハビリテーションアプローチの実際を紹介する.なお本プログラムは,理学療法,作業療法が車の両輪のごとくタイアップして遂行されるものであり,作業療法プログラムについても適宜ふれていくことにしたい.
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