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プログレス
脳出血に対する定位的穿頭血腫吸引術
著者: 遠藤昌孝1
所属機関: 1国際親善総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.633 - P.633
文献購入ページに移動 1.初めに
高血圧性脳出血の脳内血腫を穿刺吸引して排除しようという試みは,古くより行なわれていた.しかし,この穿頭血腫吸引術の成績は開頭手術より悪く,手術顕微鏡の導入以後はもっぱら開頭血腫除去術が行なわれてきた.しかしCTの登場によって血腫の正確な部位と大きさが容易に診断されるようになり,これと並行して,従来より不随運動や各種の痛みの治療,てんかんの外科で行なわれてきた定位脳手術についても,CT誘導定位脳手術装置が開発された.この装置を用いてBacklundら(1978年)は,脳内血腫の中心部にCT誘導下に穿刺針を定位的に挿入し,血腫の亜全摘を行なった.その後血腫腔にドレーンを留置して,ウロキナーゼを血腫腔に入れ残存血腫を溶解する方法が報告された.この方法は開頭手術と比べて侵襲が少ないために,高齢者の脳出血例にも広く用いられるようになり,今日までに急速に広まった.しかし,適応や手術時期など数々の問題点がある.
高血圧性脳出血の脳内血腫を穿刺吸引して排除しようという試みは,古くより行なわれていた.しかし,この穿頭血腫吸引術の成績は開頭手術より悪く,手術顕微鏡の導入以後はもっぱら開頭血腫除去術が行なわれてきた.しかしCTの登場によって血腫の正確な部位と大きさが容易に診断されるようになり,これと並行して,従来より不随運動や各種の痛みの治療,てんかんの外科で行なわれてきた定位脳手術についても,CT誘導定位脳手術装置が開発された.この装置を用いてBacklundら(1978年)は,脳内血腫の中心部にCT誘導下に穿刺針を定位的に挿入し,血腫の亜全摘を行なった.その後血腫腔にドレーンを留置して,ウロキナーゼを血腫腔に入れ残存血腫を溶解する方法が報告された.この方法は開頭手術と比べて侵襲が少ないために,高齢者の脳出血例にも広く用いられるようになり,今日までに急速に広まった.しかし,適応や手術時期など数々の問題点がある.
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