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特集 脳卒中;回復期以降の理学療法を中心に
脳卒中間歇入院の理学療法―問題点の特徴と理学療法士の役割
著者: 宮下八重子1 木藤素子2 小林康雄2 関根佐知子2
所属機関: 1すみだ福祉保健センターリハビリテーション課 2代々木病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.13 - P.18
文献購入ページに移動脳卒中による障害を残し,また他の合併症を有して在宅生活を続ける人々はさまざまなアクシデントを起こす可能性が高い.このため,障害者や家族が安心して在宅生活を続けるためには再発以外でも医学的・家族的状況が悪化したときに即対応してくれる医療機関が求められる.二木は『脳卒中患者が退院後も自宅で安定した生活をするためには症状悪化時の再入院(間歓入院)と「維持的・継続的リハ」が必要である』1)と述べている.
在宅生活で起こる症状悪化には,入院による内科・外科治療のみですぐ元の状況に戻る場合もある.しかし,機能障害が重くADLレベルの低い人々は,軽い症状でもそのために機能障害やADLレベルがさらに悪化することが少なくなく,また屋内生活にとどまっている人々は比較的運動量が少ないためか明らかな原因・誘因が無くて状態が悪化することもあり,理学療法的アプローチも必要となる.
今回,脳卒中患者が再発以外の原因で入院し,1985年1月から1989年12月の5年間に代々木病院を退院した「間歇入院2)」(当院では,陳旧期脳卒中患者が,再発作以外の原因で自立度低下・状態悪化した場合,短期間「間歇入院」させ,内科的治療とともに集中的リハビリテーションを行なっている.)患者のうち,理学療法を行なった延べ196人を対象として,入院原因や入院時の患者状況と理学療法士の役割について検討を行なったので報告する.
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