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文献概要
特集 脳卒中;回復期以降の理学療法を中心に
回復期も,その後もいつも生活期
著者: 石田卓司1
所属機関: 1伊豆逓信病院理学診療科
ページ範囲:P.25 - P.26
文献購入ページに移動回復期と呼ばれる時間を無為に過ごすことによる損失は,確かに大きい.この時期のケアの質が,ひとりの患者のその後の生を決定する場合も珍しくない.あだやおろそかにはできない道理である.しかし,そのことを承知で敢えて言うなら,そこに価値を置くあまり,回復期の,身体の機能性の変化だけに関心を注ぐ向きがなくはない.そして,要素的機能の改善が目立たなくなると,プラトーなる不可解なことばを登場させる.“プラトー!”と言えばこれは,セラピストの関心や興味が尽き,役割が終わり,いわゆるその後はもうどうでもよく,無きに等しいという意味であるらしい.したがって,急性期に続いてきたるべき事態について,ほとんど語ることが無いのである.「回復期以降」という奇妙な言いかたが当然のようになされている所以(ゆえん)であろう.
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