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食事動作介助機器の開発研究―特に,重度四肢機能障害者に対して
著者: 大塚彰1 高橋誠1 天野博之1 首藤貴2
所属機関: 1栗林病院リハビリテーション部 2愛媛大学医学部整形外科
ページ範囲:P.53 - P.57
文献購入ページに移動上肢障害者における日常生活動作(以下,ADLと略.)の目標のうち,食事動作の自立もまた,重要な項目の一つである.その際,上肢機能にある程度の随意性運動が存在すれば,各種のディバイスのくふうにより,食事動作の遂行が可能な場合が多い.筆者らも,種々の病態に合わせたディバイスをくふうし,その目的を達してきた.
しかし,重度脳性麻痺者や頸髄高位損傷者などにおいては,上肢機能に食事動作遂行に必要な随意運動が期待できない症例を経験する.このような症例では,やむなく全面的な介助を必要とする.
そこで,これら全面介助が必要な症例に対し,マニピュレーター的な介助機器の導入も考慮される必要性が生じてくる.このことに関しては,苦労して長時間を食事に費やすよりも,介助者により速やかに食事を終わらせ,有効な時間の利用を考えるほうが良いとする考えもある.しかしながら,自己で食物を選択し口に運ぶ食事の楽しみも必要であるとともに,人の手を煩わせず食事をしたいという障害者の願いにも耳を傾けたい.
そこで,筆者らは後者の考えの下に,アテトーゼ型脳性麻痺例および頸髄高位損傷例に対して,それぞれ異なった方式の食事動作介助機器をくふうした.機器により食事動作の自立またはその可能性を認めることができたので,以下に機器の概要を含めその実際につき述べる.
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