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講座 老年医学・4
老年痴呆
著者: 飯島節1
所属機関: 1東京大学医学部老年病学教室
ページ範囲:P.701 - P.706
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
人口の老齢化に伴う痴呆疾患の増加が社会全体にとっての重大な問題になりつつある.先進工業諸国における痴呆の有病率は65歳以上で4~5%,85歳以上では20%以上になると言われている.従来医療の現場においては「ぼけ」は歳のせいと片付けられ,患者がぼけていることが治療を忌避するための言い訳にさえされてきた.しかし今日では,痴呆疾患を治療の対象とするだけでなく,痴呆患者を社会の一員として遇するための知識が求められている.
本稿では,痴呆の有る患者にも医療のレベルを確保するために医療従事者一般に必要な老年者の痴呆疾患についての基礎的知識について述べ,さらに痴呆患者と社会とのかかわりかたを考える材料として自動車の運転の問題を提供したい.
人口の老齢化に伴う痴呆疾患の増加が社会全体にとっての重大な問題になりつつある.先進工業諸国における痴呆の有病率は65歳以上で4~5%,85歳以上では20%以上になると言われている.従来医療の現場においては「ぼけ」は歳のせいと片付けられ,患者がぼけていることが治療を忌避するための言い訳にさえされてきた.しかし今日では,痴呆疾患を治療の対象とするだけでなく,痴呆患者を社会の一員として遇するための知識が求められている.
本稿では,痴呆の有る患者にも医療のレベルを確保するために医療従事者一般に必要な老年者の痴呆疾患についての基礎的知識について述べ,さらに痴呆患者と社会とのかかわりかたを考える材料として自動車の運転の問題を提供したい.
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