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とびら
理学療法士として障害者とともに生きる
著者: 今井基次1
所属機関: 1埼玉県障害者リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.733 - P.733
文献購入ページに移動 私が大学を受験したのは1969年,安田講堂を占拠した学生を機動隊が排除するという騒ぎで世間の注目を集めた東大全共闘の妄動していたころであった.社会性に乏しかった私は,ただぼんやりと見過ごしていた.当然の結果として大学浪人して,思うように志望大学に入学できずにいた.たまたま脳性麻痺の従姉妹がおり,その関係で理学療法という仕事を初めて知った私は,薄っぺらでセンチメンタルな,生半可な気持ちで理学療法士養成校に入学した.卒業後は虚栄心と名誉欲というコンプッレクスから,アメリカでPNF法の研修を受けたり,夜間大学へ通ったりした.その間,考え深かった同級生が死んでしまったりした.また,私自身も重症な病気になり障害が残るかもしれないと言われた.幸いにも全治したが,障害が残っていたとき,それを受容できず配偶者を悩ましたことを苦々しく思い出す.
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