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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル25巻3号

1991年03月発行

雑誌目次

特集 運動療法 Ⅰ:運動療法の基礎知識

筋力増強の理論

著者: 猪飼哲夫 ,   米本恭三

ページ範囲:P.146 - P.148

 Ⅰ.初めに

 筋力増強訓練は,理学療法における重要な手技の一つであり,これには弱化した筋肉を強化する場合と,残存した筋肉を強化して機能を代償させる場合とがある.

 今回は,骨格筋の構造,筋力の定義と調節,筋の萎縮と肥大について簡単にふれた後,筋力増強の理論について考えてみたい.

関節拘縮・癒着に対する運動療法の理論

著者: 灰田信英

ページ範囲:P.149 - P.151

 Ⅰ.初めに

 関節拘縮とは,関節軟骨,滑膜,関節包,あるいは靱帯など,関節を構成する軟部組織の炎症や損傷に伴い,結合組織の病的変化に起因する関節の持続的な運動制限を指す.病理学的に,初期には,関節包および関節内の結合組織の増殖と癒着とが関節可動域の制限に関係し,進行すると,関節包の狭小化が起こり,関節軟骨の変性壊死と重なって,関節腔内の線維性癒着,骨性強直へと発展していく1)

 このような拘縮に伴う関節破壊の機序とその修復過程について知ることは,関節拘縮の予防の一助になると考えられる.筆者らの教室では,過去数年,関節拘縮モデル動物を用いて,関節軟骨と滑膜の破壊機構と持続他動運動(continuous passive motion;CPM)によるこれの修復過程について,病理形態学的,生化学的分析を実施してきた2)

 そこで本稿では,筆者らの教室での一連の研究を要約して紹介することを目的とする.

神経生物学からみた運動療法の基礎

著者: 佐直信彦

ページ範囲:P.152 - P.155

 運動療法は内・外受容器,すなわち皮膚や固有感覚器に対して運動という刺激を加え,生体に生理的な反応を引き起こさせ,運動機能の回復を試みるものである1).しかし,その多くの技術は経験的であり,特に神経疾患については生物学,医学に基礎を置くことが少なかった.1966年シカゴで運動療法の基礎科学と方法論の研究会が開催され,このなかで神経生理学に基礎を置いた治療手技が報告された2).以来,その効果は伝統的治療手技と比較されたが,結論は得られていない3).1970年代以降,行動科学,心理学,神経生物学の発展と応用から新たなパラダイムが生まれた.その結果,これまでの技術の見直しと新しい考えかたが,1980年代に入って発表されるようになった.行動学的あるいは認知的アプローチを取るもの,神経生物学や神経生理学,広く神経科学の知見を応用する方向へと変化している4,5)

 脳卒中後の運動機能の回復についての研究の多くは発症後,早期の機能的利得は大きく,時間経過につれてしだいに利得は減少し,機能レベルは一定値に達する.いわゆる負加速曲線,一種の学習曲線によって表される(図1)4).これらの事実から中枢神経損傷後の機能回復にも発達や学習に共通するニューロン,シナプスの変化が推定される.運動療法は治療者の操作―これは患者にとっては新しい経験の一部になる―を通じて,正常な運動行動の学習あるいは再学習を行なわせることである5)

体力増強とその運動生理学的背景

著者: 間嶋満

ページ範囲:P.156 - P.159

 Ⅰ.体力増強に際して必要とされる基本的な生理学的事項

 1.体力の指標としての最大酸素摂取量

 猪飼ら1)は,体力のもっとも重要な指標として,筋力・持久力・敏捷性などが含まれてくる作業能力を挙げている.また,作業能力は有酸素的作業能力(aerobic work capacity)と無酸素的作業能力(anaerobic work capacity)とに区別されるが,日常生活において用いられる作業では前者が主体となることから,体力の指標としては有酸素的作業能力がもっとも適切であるとしている.さらに,有酸素的作業能力をもっともよく反映する客観的指標として最大酸素摂取量(以下,Vo2maxと略す.)を挙げているが,現在このVo2maxが体力の指標としてもっともよく用いられている.

Ⅱ:運動療法の種類と適応

廃用症候群の発生機序と改善のための運動療法

著者: 江藤文夫

ページ範囲:P.160 - P.164

 Ⅰ.初めに

 廃用症候群(disuse syndromes)はHirschberg,Lewis,Thomas共著による教科書の中で,日常的活動低下,あるいは活動が禁忌であったり危険を伴うような情況から生じる二次的障害(disabilities)を論じる際に用いられた用語である1).不適切な動作や活動により生じる障害に対しては誤用症候群(misuse syndromes)と呼ぶことを提唱している.ここでは症候群は諸症状(symptoms)の意味で用いられている.疾患概念としてはKrausらのhypokinetic disease(低運動性疾患)2)の用語に意識されているように思われるが,その後あまり使用されない.Hirschbergらの教科書ではhypokinetic syndromes(低運動性症候群)として紹介されている1).要するに廃用症候群は,日常生活の不活発や安静に伴って生じる体力の低下や身体的,精神的諸症状を総称した概念である.したがって,その発生機序を論じるためには不活発や安静を生じる機序と,不使用あるいは不動によって生じる各種臓器や組織の変化とについて考察する必要があろう.

骨関節疾患と運動療法―下肢回旋機能に着目して

著者: 福井勉

ページ範囲:P.165 - P.169

 Ⅰ.初めに

 下肢の各肢節の運動と身体の移動との関係には規則とも呼ぶべき,基本的原則があると考えられる.技術的な難しさからか現状では,身体水平面上の運動学的分析を行なった例は少ないが,下肢の回旋運動は体重支持・移動の点から非常に重要である.そこで本論では特に下肢の回旋機能について注目し,自験・他験例から下肢機能の基本的原則を考え,同時に疾患がもつ基本的原則との違いを考えていきたい.

筋力と持久力の改善のための運動療法

著者: 岡西哲夫

ページ範囲:P.170 - P.175

 Ⅰ.初めに

 筋力改善のための運動療法は,基本的には徒手筋力テスト(MMT)の結果を基にして,1:自動介助運動,2:自動運動,3:抵抗運動などの訓練によって段階的に進められる.しかし実際には筋力低下だけで訓練方法は決められない.例えば,筋力は実際に有っても,術後筋再教育が必要なとき,あるいは疼痛が有って筋力が発揮できない場合などは,自動介助運動が用いられる.一方筋力を効率良く増強させるためには,筋収縮の種類に応じた訓練方法(等尺性運動,求心性運動,遠心性運動,等運動性運動など)を基にして,筋の長さ-張力の原理や,他の生体力学上の因子に加え筋収縮の速度,負荷量,収縮時間,頻度,そして筋疲労と休息など,さまざまな条件をつねに考えて訓練を行なうことがたいせつである.

 一般に筋力は瞬発力と持久力とに分けられる.どちらを増大させるかは,DeLormeの原則がある.すなわち負荷を大きくして少ない運動回数は瞬発力を増大し,一方,負荷を小さくして多い運動回数は持久力を増大する,というものである1).しかし,両者は互いに密接に関係しており,並行して行なわれるのが実際であろう.訓練の目的をどちらに置くかは疾患の種類や障害の程度,また年齢などによって異なるが,特に過用性筋力低下を症状とする疾患には持久力増大が中心となる.この場合訓練も,全身の耐久性とも関連して頻回に行なうほうが良いと言われている2).一方筋力増強訓練の効果をあげるために,筆者らはその手段として,“筋が疲れるまで反復訓練する”ことを患者教育としてきた.その結果この方法は筋力,特に持久力増大に効果的であった.持久力訓練は日常生活動作としてのいわゆる力(power)の増大に直結しやすいという意味でも,より重要である.

 さて,下肢の筋力増強訓練の場合,従来の臥位や座位での訓練に止まらず,荷重下でのいわゆる,closed kinetic chainを利用した動的訓練や,強化した筋肉を即座にしかも的確に反応できるようにするいわゆる神経・筋促通手技(PNF)を利用した訓練の重要性が井原・中山3)らが確立した動的関節制動訓練の目的の一つとして強調されている.

 今回は,筋力と持久力の運動療法の方法と最近の知見について,整形外科的疾患の術後患者のプログラムの進めかたで整理し,併せて患者教育の立場からも述べる.

基本姿勢・動作と運動療法

著者: 半田健壽

ページ範囲:P.176 - P.181

 Ⅰ.初めに

 人間が日常生活活動に用いている起居・移動動作は運動障害克服のための獲得目標でもあり,運動療法の手段としても利用されている.これらの動作をfunctional activitiesと呼ぶ1).今後論議の余地もあろうと思うが,この起居・移動動作,およびそのとき用いる各種の姿勢・単位動作を仮に基本姿勢・動作と命名して本題に入ろう.

 運動療法は人間の運動を研究する運動学を主な理論的背景とし,人間の運動を治療手段として用いたものである.

 治療手技に用いる身体運動は幾つもの側面や意味をもつ.一つの身体運動は階層構造をもつ運動-動作-行為の三つの側面でとらえられる.治療に用いられる身体運動をどの側面でとらえるかは,対象とする問題と基礎理論に依存することになる(表1)2)

 人間が日常生活活動に用いている姿勢・起居・移動動作も何に利用するのか,何を対象とするのかにより,運動療法のアプローチが異なる.例えば,physical exerciseでは,体力維持に立ち上がり動作や歩行を用いる.しかし,もっとも基本姿勢・動作を治療体系に取り込んでいるのは,中枢神経疾患を対象にしたアプローチにおいてである3~6)

 本章では,中枢神経疾患を対象に,日常生活活動の中の立ち上がり,歩行などの姿勢・運動・動作,およびその障害をどのようにとらえていくのか,どのように治療を進めるのかを解説していく.

循環器障害に対する運動療法

著者: 山本信行 ,   小沼正臣 ,   久保晃 ,   千野根勝行 ,   古名丈人 ,   久寿米木和繁 ,   望月直哉 ,   林𣳾史 ,   藤沢明子

ページ範囲:P.182 - P.186

 Ⅰ.初めに

 循環器障害に対する運動療法は,そのほとんどが急性心筋梗塞(AMI)を中心としたものであり,その需要は年々高まってきているが,理学療法士が直接かかわっている医療機関はまだ少ないのが現状である.

 一方,理学療法士が合併症として直面する循環器疾患は,近年の患者層の高齢化に伴い,ますます増加傾向にある.この合併症としての循環器疾患は,訓練にとってのリスクとしてとらえられるが,その合併症がコントロールされた場合は,再び訓練の対象となり,その際は理学療法士は運動負荷による再発の危険を考慮する必要が生じてくる.

 今回は,代表的循環器疾患として,心筋梗塞,狭心症,心不全,不整脈を取り上げ,その疾患に対する運動療法と,合併症として存在した場合の対応を述べる.

呼吸理学療法の適応と方法

著者: 宮川哲夫

ページ範囲:P.187 - P.193

 Ⅰ.初めに

 1990年4月より在宅酸素療法に加え,在宅人工呼吸療法も健康保険が適用されるようになった.また,医療の発展に伴い包括的な呼吸ケアを行なう呼吸療法士の必要性が叫ばれるようになり,ますます理学療法士の専門性が問われているところである.以下,呼吸理学療法についてその適用と方法を述べ,さらに在宅酸素療法の症例を報告する.

老人の体力維持のための運動療法

著者: 望月彬也

ページ範囲:P.194 - P.198

 Ⅰ.初めに

 目前に迫りつつある超高齢化社会は,理学療法全体にも大きな問題を投げかけている.その本質や在りかたについて,従来の考えとは異なった問われかたをされつつあることを感じている.普通,私たちが考える理学療法のプロセスは機能障害を改善し,日常生活を自立させ,社会生活への復帰を得ようとするものである.したがってその基本となっている概念は,疾病によって発生する何らかの障害を回復させるというイメージをもっている.しかし,老人については機能の衰退ということが基本となり,回復よりも維持に重点が置かれ,主として回復を前提として成立している従来の理学療法は,見直しを求められている.もちろん,廃用症候群という概念があるが,それは低運動に対してであり,老人そのものの生理的身体的な特性に対するものではない.すなわち,老人に対しての理学療法には今までの枠を超えた新しい方法論が求められているのである.

 ここでは体力維持の対象を病院などの入院者ではなく,主として退院し地域で生活している在宅の寝たきり老人,障害老人,それから健康老人ということに限定して考えてみたい.地域では彼らだけで存在するのではなく,生活を共にする介護者(主として家族)や生活の場である生活環境があり,それらは老人本人と深くかかわっている.したがって,場合により本人のみの体力維持だけでなく,地域ケアシステム全体の体力維持について考慮する必要もあろう.また,いわゆる機能維持訓練ではなくその人の生活の中でそれがどういう意味をもつのかを考えないと,いわゆる「できるADL」と「しているADL」のギャップが生じてくる.特に老人ではその傾向が強くなっているように感じている.

 また,体力維持の背景として老人個人のQOL(Quality of Life:生活の質)もかかわってくる.QOLは個人の人生観に深く根をおろしていて,安易に立ち入るべきことではないが,指導方針を決める上で重要な位置を占めてくる.ここでは以上のような視点から老人の体力維持について考えてみたい.

とびら

第二次パイオニア時代の中で

著者: 居村茂幸

ページ範囲:P.145 - P.145

 まず初めに,学術誌である当ジャーナルの顔の部分に,われわれの業界のみに関するこのような稚文を記すことをお許しいただきたい.

 私の友人で15年選手の理学療法士が,1年間の予定で中国に技術指導に出向いている.幸いにも病院でのポジションはそのまま空けてあり,私立ではまれなケースと思うが,彼女の場合は帰国すると元の地位に戻れるらしい.もっとも,このためには病院のスタッフをはじめとする周辺の仲間が協力したのは言うまでも無く,日本理学療法士協会も関与している.海外それも隣人であるアジア諸国の,理学療法の発展に人材協力するのはまことに価値多きことであり,今後も積極的に推進していくべき仕事と思う.

プログレス

HAMの病態と治療

著者: 田口博國

ページ範囲:P.199 - P.199

 1.HAMとは

 HAM(HTLV-Ⅰ associated myelopathy)は1986年,納らによって提唱された緩徐進行性のミエロパチーである.1985年Gessainらによりカリブ海諸島にみられる熱帯性痙性脊髄麻痺(tropical spastic paraparesis;TSP)では抗HTLV-Ⅰ抗体が高率に陽性であるという報告が為された.フランスグループより1年遅いものの,日本の研究は独立に行なわれしかも疫学,治療,ウイルスの分離同定などの面では一歩先んじており,現在ではTSP/HAMとして記載されることも多い.

PT最前線

患者さんに必要な存在として―多面的な活動の成果を活かす 鈴木正彦氏/<証言>兄貴にように頼もしい存在

著者: 本誌編集室 ,   奈良勲

ページ範囲:P.200 - P.201

 ワープロもパソコンも早期に使いこなしてきた.とても頭の中身が柔らかい.人との対応も,多くの経験の中から会得されたもの.第2回の国家試験で,理学療法士の資格を得た.受験資格を得るための講習会も,国家試験も自施設,国立身体障害者更生指導所で行なわれた.特に国家試験の実技の際には,「普段使ったり見ている装具や器械だったから有利だった.」とは言っても,当時の合格率は10%に満たない難関だった.浪人して,家族と別れて東京に居続けになる人もあり,現在とは大違い.

あんてな

第1回全国老人保健施設大会

著者: 島津寿宏

ページ範囲:P.202 - P.202

 1.経緯

 現在,要介護老人は,全国で約60万人であり,今後,高齢化が進むと,21世紀初頭には,その数は100万人を突破すると見込まれている.このため,要介護老人対策は長寿社会に向けてさし迫った課題となっている.

 この要介護老人のために,医療ニーズと生活ニーズの両方に応(こた)えられる施設が求められているが,老人保健施設は,要介護老人にふさわしいサービスを提供するいわゆる“中間施設”として,1986年に成立した老人保健法等の一部を改正する法律により創設された.1987年度には7施設においてモデル実施された後,1988年4月より本格実施され,入所された老人の行動意欲の改善,精神活動の向上など,家庭復帰のための機能を担う施設として,大きな評価を受けてきた.

入門講座 歩行・3

脊髄不全損傷の歩行

著者: 平上二九三

ページ範囲:P.203 - P.208

 Ⅰ.初めに

 本稿では,脊髄不全麻痺の病態についてふれる一方,基本的かつ臨床的な歩行分析の考えを整理し,歩行訓練のポイントが把握できるよう解説していきたい.

 特に歩行分析においては,実践的なきめ細かな観察方法と同時に,その歩行分析から浮かび上がった問題点と原因について考察し,歩行訓練の要点について述べる.

 しかし脊髄不全損傷の歩行は,損傷の原因や部位・程度により,またその経過,合併症,年齢などにもより一概に論ずることはできない.ここでは理学療法の対象になることが多い頸髄不全損傷の四肢麻痺に焦点を合わせ,軽度から重度な歩行障害に対応できるように展開していく.

講座 姿勢・3

姿勢の発達的変化

著者: 北原佶

ページ範囲:P.209 - P.214

 Ⅰ.初めに

 姿勢は,単に体型として“からだつき”を示すこともあるし,人が取っている一定の“構え”を言うこともある.

 からだつきや構えは月・年齢の推移とともに変化する.特に乳幼児期の姿勢の変化は著しい1,2).姿勢の変化は,個体のもつ遺伝的要素と環境との相互作用の結果として起こり,成熟と経験の総和としてとらえることができる.

 発達とは,個体が年齢の推移に伴って,成熟と経験の総和により構造や機能が分化・複雑化・多様化することである3,4).ここでは姿勢をからだつき,構え,体位に分ける.まずからだつきの月・年齢の推移を述べ,次に構え,体位が月・年齢の推移とともにどのように分化・複雑化・多様化するかを述べる.この中で姿勢の発達的変化を検討したい.

1ページ講座 くすりの知識・3

神経系に作用する薬・1 抗てんかん薬,抗不安薬,催眠薬

著者: 才藤栄一

ページ範囲:P.215 - P.215

 1.抗てんかん薬

 てんかん(epilepsy)は,大脳ニューロンの過剰な興奮性により生ずる反復性の発作(意識障害,痙攣,行動異常など)である.ここでは,てんかん発作抑制のための抗てんかん薬について概要を述べる.

 抗てんかん薬を使うには,まず症状がてんかん(痙攣:seizureなど)であるかどうか明らかにすることがたいせつである.患者や家族は痙性によるクローヌスを「痙攣」と言うこともある.さらに,てんかんの発作型により有効な薬剤が異なるので,発作型の正確な診断が重要になる.表1に各発作型と選択薬を掲げる.

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文献抄録

ページ範囲:P.218 - P.219

編集後記

著者: 福屋靖子

ページ範囲:P.222 - P.222

 梅の花もほころび,年度末の慌しさの中にも何となく華やいだゆとりを感ずる季節がまためぐってきた.TVに釘付けにした湾岸戦争も一応の終結をみ,ホッと一息ついたところだが,何ともやりきれない複雑な思いにかられている.リハビリテーション医学の発展は戦争が契機となった歴史的背景の皮肉と人間の多面性を考えさせられている.

 専門職のジャーナルの使命として日進月歩している知識・技術を紹介しているが,それを必要に応じてまとめて紹介することも意義あるものと考え,テーマによっては通常の欄を削除しても大特集としてページをとる方針で編集したのが本号である.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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