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特集 運動療法 Ⅰ:運動療法の基礎知識
関節拘縮・癒着に対する運動療法の理論
著者: 灰田信英1
所属機関: 1金沢大学医療技術短期大学部理学療法科
ページ範囲:P.149 - P.151
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
関節拘縮とは,関節軟骨,滑膜,関節包,あるいは靱帯など,関節を構成する軟部組織の炎症や損傷に伴い,結合組織の病的変化に起因する関節の持続的な運動制限を指す.病理学的に,初期には,関節包および関節内の結合組織の増殖と癒着とが関節可動域の制限に関係し,進行すると,関節包の狭小化が起こり,関節軟骨の変性壊死と重なって,関節腔内の線維性癒着,骨性強直へと発展していく1).
このような拘縮に伴う関節破壊の機序とその修復過程について知ることは,関節拘縮の予防の一助になると考えられる.筆者らの教室では,過去数年,関節拘縮モデル動物を用いて,関節軟骨と滑膜の破壊機構と持続他動運動(continuous passive motion;CPM)によるこれの修復過程について,病理形態学的,生化学的分析を実施してきた2).
そこで本稿では,筆者らの教室での一連の研究を要約して紹介することを目的とする.
関節拘縮とは,関節軟骨,滑膜,関節包,あるいは靱帯など,関節を構成する軟部組織の炎症や損傷に伴い,結合組織の病的変化に起因する関節の持続的な運動制限を指す.病理学的に,初期には,関節包および関節内の結合組織の増殖と癒着とが関節可動域の制限に関係し,進行すると,関節包の狭小化が起こり,関節軟骨の変性壊死と重なって,関節腔内の線維性癒着,骨性強直へと発展していく1).
このような拘縮に伴う関節破壊の機序とその修復過程について知ることは,関節拘縮の予防の一助になると考えられる.筆者らの教室では,過去数年,関節拘縮モデル動物を用いて,関節軟骨と滑膜の破壊機構と持続他動運動(continuous passive motion;CPM)によるこれの修復過程について,病理形態学的,生化学的分析を実施してきた2).
そこで本稿では,筆者らの教室での一連の研究を要約して紹介することを目的とする.
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