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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル25巻3号

1991年03月発行

文献概要

特集 運動療法 Ⅱ:運動療法の種類と適応

廃用症候群の発生機序と改善のための運動療法

著者: 江藤文夫1

所属機関: 1東京大学医学部リハビリテーション部

ページ範囲:P.160 - P.164

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 Ⅰ.初めに

 廃用症候群(disuse syndromes)はHirschberg,Lewis,Thomas共著による教科書の中で,日常的活動低下,あるいは活動が禁忌であったり危険を伴うような情況から生じる二次的障害(disabilities)を論じる際に用いられた用語である1).不適切な動作や活動により生じる障害に対しては誤用症候群(misuse syndromes)と呼ぶことを提唱している.ここでは症候群は諸症状(symptoms)の意味で用いられている.疾患概念としてはKrausらのhypokinetic disease(低運動性疾患)2)の用語に意識されているように思われるが,その後あまり使用されない.Hirschbergらの教科書ではhypokinetic syndromes(低運動性症候群)として紹介されている1).要するに廃用症候群は,日常生活の不活発や安静に伴って生じる体力の低下や身体的,精神的諸症状を総称した概念である.したがって,その発生機序を論じるためには不活発や安静を生じる機序と,不使用あるいは不動によって生じる各種臓器や組織の変化とについて考察する必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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