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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル25巻3号

1991年03月発行

文献概要

特集 運動療法 Ⅱ:運動療法の種類と適応

基本姿勢・動作と運動療法

著者: 半田健壽1

所属機関: 1東北大学医学部附属病院鳴子分院

ページ範囲:P.176 - P.181

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 Ⅰ.初めに

 人間が日常生活活動に用いている起居・移動動作は運動障害克服のための獲得目標でもあり,運動療法の手段としても利用されている.これらの動作をfunctional activitiesと呼ぶ1).今後論議の余地もあろうと思うが,この起居・移動動作,およびそのとき用いる各種の姿勢・単位動作を仮に基本姿勢・動作と命名して本題に入ろう.

 運動療法は人間の運動を研究する運動学を主な理論的背景とし,人間の運動を治療手段として用いたものである.

 治療手技に用いる身体運動は幾つもの側面や意味をもつ.一つの身体運動は階層構造をもつ運動-動作-行為の三つの側面でとらえられる.治療に用いられる身体運動をどの側面でとらえるかは,対象とする問題と基礎理論に依存することになる(表1)2)

 人間が日常生活活動に用いている姿勢・起居・移動動作も何に利用するのか,何を対象とするのかにより,運動療法のアプローチが異なる.例えば,physical exerciseでは,体力維持に立ち上がり動作や歩行を用いる.しかし,もっとも基本姿勢・動作を治療体系に取り込んでいるのは,中枢神経疾患を対象にしたアプローチにおいてである3~6)

 本章では,中枢神経疾患を対象に,日常生活活動の中の立ち上がり,歩行などの姿勢・運動・動作,およびその障害をどのようにとらえていくのか,どのように治療を進めるのかを解説していく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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