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特集 整形外科疾患の理学療法
腰痛患者に対する教育的アプローチ
著者: 辛島修二1 野原和彦1 田中昌代2 山口昌夫3 勝木道夫4
所属機関: 1リハビリテーション加賀八幡温泉病院 2リハビリテーション加賀八幡温泉病院 3リハビリテーション加賀八幡温泉病院 4整形外科芦城病院
ページ範囲:P.319 - P.324
文献購入ページに移動本邦では,腰痛患者に対する理学療法は,牽引・温熱・電気治療などの物理療法と腰痛体操などの運動療法が一般的に主流であり,腰痛の予防や再発予防に対する教育的アプローチはあまり普及していない.しかし,誤った姿勢や生活様式が腰痛発生の原因となっていることが多く,その自己管理による腰痛の予防,再発予防が腰痛発生後の治療と同等に重要である.欧米では1960年代後半からForsell1)やFahrni2)らにより腰痛患者に対する教育的アプローチ;Back school(以下,腰痛教室と呼ぶ.)が開設され,理学療法士の間に広く普及している.本邦でも日本大学,慶応大学などで実施されており,その効果が報告されている3~6)が,腰痛教室の具体的内容や教育方法について説明されている文献は少ない.
当院でもその必要性を感じ.筆者が米国において卒後教育コース(Back school of Atlanta)を受講したのを契機に1989年2月から腰痛教室を開催している7).今回はその内容,経過について具体的に紹介する.
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