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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル25巻6号

1991年06月発行

文献概要

入門講座 歩行・6

骨・関節疾患の歩行

著者: 宇都宮学1 田中聡1 高橋謙一1

所属機関: 1香川医科大学附属病院理学療法部

ページ範囲:P.429 - P.435

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 Ⅰ.初めに

 窪田1)は,歩行障害とは,歩行が何らかの因子により,障害された状態を指すものであり,しばしば同義語的に用いられている異常歩行(または病的歩行)は,機能・形態障害の一つとして,歩行障害の原因となるものであるので,この意味で両者は明確に区別して用いられるべきであると述べている.つまり異常歩行とは,さまざまな疾患によって引き起こされた運動障害に基づき,歩行の観察における異常所見としてとらえられた状態を意味しているのであって,歩行障害は,何らかの疾病(外傷も含む.)によって引き起こされるさまざまな不都合な状態を包括した概念であり,具体的には,運動障害という機能障害により引き起こされた,歩行という運動に関する能力障害を意味すると解釈できる.

 今回のテーマ「骨・関節疾患の歩行」は,こういった意味からして,下肢の三大関節の機能・形態障害に起因する異常歩行という運動障害について主に述べる.なお,多関節にわたり機能・形態障害を呈する慢性関節リウマチや,スポーツ障害などの靭帯損傷は今回は省き,単一の関節障害を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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