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特集 重度障害児の理学療法
重度脳性麻痺児の呼吸・摂食障害に対する理学療法―ポジショニングを中心として
著者: 今川忠男1
所属機関: 1南大阪療育園訓練科
ページ範囲:P.539 - P.544
文献購入ページに移動 Ⅰ.重度脳性麻痺児に対する理学療法の現状
重度脳性麻痺児に対する療育を進めていくとき,その運動障害の程度が重度であるということに加えて,数多くの重複障害,二次的合併症が最大の問題点となると考えられている.それらには癲癇,痙攣発作や消化器障害,呼吸器障害や視聴覚機能障害,口腔機能障害などが含まれ,四肢体幹の拘縮,脱臼などの構築的変形も多発する.また,痰の喀出障害,誤嚥,栄養障害,長期間の抗痙攣剤の服用などが原因ではないかと考えられている感染症も報告されている.そして死亡原因としては呼吸器感染症,イレウス,心不全が上位に挙げられている.
このような状況では重度脳性麻痺児に対してはその医療的処置,管理といった防御的な対策が最重要課題となり,理学療法士は治療目標を見失って途方に暮れてしまったり,すでに起こってしまっているさまざまな機能障害を取り上げ,対症療法的にその対策を立てていくといった対応のみに陥ってしまいやすくなる.
重度脳性麻痺児に対する療育を進めていくとき,その運動障害の程度が重度であるということに加えて,数多くの重複障害,二次的合併症が最大の問題点となると考えられている.それらには癲癇,痙攣発作や消化器障害,呼吸器障害や視聴覚機能障害,口腔機能障害などが含まれ,四肢体幹の拘縮,脱臼などの構築的変形も多発する.また,痰の喀出障害,誤嚥,栄養障害,長期間の抗痙攣剤の服用などが原因ではないかと考えられている感染症も報告されている.そして死亡原因としては呼吸器感染症,イレウス,心不全が上位に挙げられている.
このような状況では重度脳性麻痺児に対してはその医療的処置,管理といった防御的な対策が最重要課題となり,理学療法士は治療目標を見失って途方に暮れてしまったり,すでに起こってしまっているさまざまな機能障害を取り上げ,対症療法的にその対策を立てていくといった対応のみに陥ってしまいやすくなる.
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