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特集 痴呆と理学療法
痴呆に対する理学療法の意義
著者: 江藤文夫1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.601 - P.605
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
20歳を過ぎると人の脳の神経細胞は一日に10万~30万個ずつ減少し始めると言われ,誰でも老年期になると惚けるための危険因子の一つを内在することになる.痴呆性疾患の大半が遺伝子によって既定されているとしても,遺伝子の効果発現は時間的因子のみでなく環境因子の影響も大である.脳は使われないでいると,細胞減少という老化過程に伴い機能が低下するので,「頭を使うこと」が痴呆の予防法として推奨される.身体活動も脳の機能に基づくものであり,運動にも脳の働きを保つ効果が期待される.
理学療法は大きく,物理療法と運動療法とに分けられる.前者の痴呆に対する治療および予防的効果はおおいに期待されるが,未だに実験段階にあるものがほとんどで報告も乏しいことから,ここでは痴呆を対象とした運動療法について考えてみたい.
20歳を過ぎると人の脳の神経細胞は一日に10万~30万個ずつ減少し始めると言われ,誰でも老年期になると惚けるための危険因子の一つを内在することになる.痴呆性疾患の大半が遺伝子によって既定されているとしても,遺伝子の効果発現は時間的因子のみでなく環境因子の影響も大である.脳は使われないでいると,細胞減少という老化過程に伴い機能が低下するので,「頭を使うこと」が痴呆の予防法として推奨される.身体活動も脳の機能に基づくものであり,運動にも脳の働きを保つ効果が期待される.
理学療法は大きく,物理療法と運動療法とに分けられる.前者の痴呆に対する治療および予防的効果はおおいに期待されるが,未だに実験段階にあるものがほとんどで報告も乏しいことから,ここでは痴呆を対象とした運動療法について考えてみたい.
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