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講座 老年医学・3
老年者の神経疾患
著者: 江藤文夫1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.634 - P.639
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
老年者の神経疾患では,老化に伴う身体的変化を基盤とした変性過程の関与した疾患の頻度の高いことが特徴である.ニューロンの減少は既に20歳代より始まるとされる.表1は東京大学医学部附属病院老人科における40歳以上の患者を対象とした主な神経疾患の集計である.古い資料であるが,基本的には表1にみられるように,動脈硬化を基盤としたもの,神経組織の変性を基盤としたもの,脊椎の変形を基盤としたものと各年齢層に共通したものとに分けられる.近年は高年齢者層における老年痴呆(Alzheimer型)の頻度が著しく増大している.
本稿では,痴呆および脊椎症に伴う神経障害を除いて,主な老年者の神経疾患について概説する.
老年者の神経疾患では,老化に伴う身体的変化を基盤とした変性過程の関与した疾患の頻度の高いことが特徴である.ニューロンの減少は既に20歳代より始まるとされる.表1は東京大学医学部附属病院老人科における40歳以上の患者を対象とした主な神経疾患の集計である.古い資料であるが,基本的には表1にみられるように,動脈硬化を基盤としたもの,神経組織の変性を基盤としたもの,脊椎の変形を基盤としたものと各年齢層に共通したものとに分けられる.近年は高年齢者層における老年痴呆(Alzheimer型)の頻度が著しく増大している.
本稿では,痴呆および脊椎症に伴う神経障害を除いて,主な老年者の神経疾患について概説する.
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