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筋力と筋電周波数解析
著者: 日下隆一1
所属機関: 1兵庫県立柏原病院理学診療科
ページ範囲:P.640 - P.642
文献購入ページに移動このようななかで筋トーヌスの低下,筋萎縮の有無,筋力の関係は多彩であるが,明らかな筋組織学的,神経筋生理学的な異常が有るにもかかわらず筋力が正常範囲内にあるかもしくはわずかに低下しているような場合,筋トーヌスの低下,筋萎縮などに特に注意を払わず,さらに筋力が低下しても荷重を開始すれば,使い始めれば回復するなどの予測で放置する場合が多く,これらに対して主として単純な筋力増強のトレーニングを続けてきた経緯がある.これは何があろうと筋力が正常範囲あれば十分であるという単純な概念に支配されていると痛感している.一年を経過しても筋トーヌス,筋萎縮,筋力が回復せず異常歩行を呈しているとしても,痛みが有るのだから,アラインメントが変わったのだからとするのは当然ではあるがいかにも発展性が無く消極的であり,ただでさえ関節可動性と筋力という狭い概念からなかなか脱しきれないのでいるのなら,せめてその筋力の背景の分析と筋力トレーニングの方法について試行する必要があると常々考えてきた.
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