icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻1号

1992年01月発行

文献概要

特集 脳卒中

(超)高齢者の日常生活動作―85歳以上の脳卒中患者の日常生活動作の特性について

著者: 永原久栄1

所属機関: 1浴風会病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.14 - P.20

文献購入ページに移動
 Ⅰ.初めに

 脳卒中患者の日常生活動作(以下,ADLと略.)をみるとき,高齢は,このこと自体が問題点であり,ゴール設定や,ADLを規制する要因とされてきた.高齢者であるほど,脳卒中の病態や障害の程度に加えて,生理的老化による機能低下の要因も大きくなるから,高齢は,確かにマイナスの問題点であろう.

 しかし,高齢脳卒中患者に多く接し,高齢脳卒中のADLに改善要素を経験してみると,高齢をすべてマイナスの問題点とみず,改善要素を含めた,高齢脳卒中のADLの特性を把握するニーズも出てくる.高齢脳卒中の特性を生かした適切なADL援助は,増加傾向にある高齢脳卒中のリハビリテーション目標に積極的意味をもたせる.

 80歳以上の高齢脳卒中患者のADLに関した報告は少ない.少ない中で,渡辺は1)80歳代脳卒中患者の一般的リハビリテーション目標に,屋内ADLの自立,また渡辺2)は90歳以上の場合,ベッド上ADLの確保と述べている.

 筆者は,老人一般病院で,入院患者平均年齢80.5歳を受けて,高齢者の理学療法に携わることが多い.今回,高齢・超高齢脳卒中のADLについて,実践の中から調査し,その特性に迫ってみたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?