icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻10号

1992年10月発行

文献概要

特集 中高年脳性麻痺者の問題点

中高年脳性麻痺者の地域・在宅ケアと問題点

著者: 山本和儀1

所属機関: 1大東市福祉保健部保健医療福祉センター

ページ範囲:P.683 - P.688

文献購入ページに移動
 Ⅰ.初めに

 ここ数年,在宅障害者や高齢者(脳卒中,痴呆など)を対象にした地域に関する報告を目にする機会がよくある.これは医療などの進歩によって平均寿命が延び,それに伴い高齢化が進んできたということと,ノーマライゼーションの普及,および家族体系(核家族化)の変化による介護力の低下など,社会的問題が表面化してきているからではないかと思われる.これらのことを考え併せると,今後ますます在宅(地域)におけるケア(Care)の充実を図ることがたいせつになると考えられる.いずれにしても在宅(地域)において重要なことは保健・医療・福祉がそれぞれの分野をオーバーラップして連携をとっていくことがたいせつで,これをつねに念頭においておかなければならない.

 一般的に地域において中高年に限らず,脳性麻痺者の生活を支えていくための必要な条件として,

 (1)機能を維持するための機能訓練および健康管理体制の整備

 (2)介護支援体制の整備

 (3)住環境を含めた周辺環境の整備

 (4)デイサービスなどの社会資源の整備

 (5)ADLを含めQOLをいかに豊かにするかなどが挙げられる.これらの条件をふまえた上で,以下,当市におけるケアの不要な人も含めた中高年脳性麻痺者の,地域における実態と問題点および今後の課題についてケースも含めて述べてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?