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特集 ADLとQOL
ADLとQOL―その基本的な考えかた
著者: 上田敏1
所属機関: 1帝京大学市原病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.736 - P.741
文献購入ページに移動 1.初めに
ADL(activities of daily living,日常生活動作)とQOL(quality of life)とはいずれも現在のリハビリテーションを考える場合の極めて重要なキイワードである.しかし,その両者のどちらがより重要なのか,あるいは,両者の間の関係はどうなのかについてはまだ多くの混乱がみられるようである.一方ではリハビリテーション医学の創始期からの「ADL自立こそがリハビリテーションの最終的目標である」との考えがあり,他方では最近の「リハビリテーションの目標はADLからQOLに転換した.したがってADLは以前ほど重要ではなくなった」との考えもあって,多くの人々がこの二つの考えの間で迷っているというのが現状であろう.
筆者はすでにいろいろの機会にこの問題について考えを述べてきており1,2),最近の考えかたは近著に詳しく述べているが3),本稿ではその要点を繰り返し述べるとともに,そこでも十分には展開できなかった最新の考えかたに比較的重点をおいて論じてみたい.その際のキイポイントは次の二点に要約できると思われる.
1)QOL向上のためのADL自立促進
2)ADLの概念の拡大
ADL(activities of daily living,日常生活動作)とQOL(quality of life)とはいずれも現在のリハビリテーションを考える場合の極めて重要なキイワードである.しかし,その両者のどちらがより重要なのか,あるいは,両者の間の関係はどうなのかについてはまだ多くの混乱がみられるようである.一方ではリハビリテーション医学の創始期からの「ADL自立こそがリハビリテーションの最終的目標である」との考えがあり,他方では最近の「リハビリテーションの目標はADLからQOLに転換した.したがってADLは以前ほど重要ではなくなった」との考えもあって,多くの人々がこの二つの考えの間で迷っているというのが現状であろう.
筆者はすでにいろいろの機会にこの問題について考えを述べてきており1,2),最近の考えかたは近著に詳しく述べているが3),本稿ではその要点を繰り返し述べるとともに,そこでも十分には展開できなかった最新の考えかたに比較的重点をおいて論じてみたい.その際のキイポイントは次の二点に要約できると思われる.
1)QOL向上のためのADL自立促進
2)ADLの概念の拡大
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